#25 ページ25
夜になると約束通り切島が来た。
ドアの向こうで
『おにぎり、食ってくれたんだな』って喜んでる。
『ねえ切島、私…ここに居る意味なくなっちゃった』
「そんなことねぇって！相澤先生からも言われてんだろ」
個性が戻ってくる確証もないのに何を目指して行けばいいの？
もうずっと見えないんだよ。希望が、光が。
「なあA、開けてくれよ。一人で泣くなよ」
『…泣いてないし』
「じゃあ顔見せてみろよ」
ばか。いじわる。
『もうほっといてよ』って言葉が出かけて、消えた。
そんなこと言っても無駄なのは分かりきってた。
だってここは腐ってもヒーローアカデミア
お人好しが集まる所だから。
「天喰先輩がよ、敵を必死に探してんだ」
『え…』
「守れなかったのは俺のせいだ、って」
巫山戯んな。先輩は関係ない。
私が個性を失ったのは私の不手際。
先輩に守ってもらおうなんてこれっぽっちも…。
「やっと出てきたな」
そこに天喰先輩がいるわけも無いのに
何か言い返してやりたくてドアを開けてしまった。
『やっぱ泣いてんじゃん』と、したり顔がムカついて
ドアを閉めようとしたけど硬化した切島に勝てるわけもない。
「A、俺を殴ってくれ！」
それは私を助けられなかったことの戒めのつもりだろうか。
あの日…切島は勝って、私は失った。
切島は守りきって、私は守られている。
同じ雄英高校の同じ1年A組なのに、この差はなんだろう。
「悪い、あの時すぐに異変に気づいていれば…」
『やめてよ』
「一人でどうこうなる相手じゃなかった」
惨めになるじゃん。
ボソボソとあの時の反省を語る切島が腹立たしくて
私はついに手を振り上げた。
『なんで…硬化』
手が触れる瞬間に硬化を解いた切島の頬がほんのり赤く染まる。
「っててて…。お前、ビンタ重ぇよなあ」
どうだ？ちょっとは発散出来たか？
謝られるの嫌いだと思ってよ、わざとやった。
なんて、開いた口が塞がらない私に言葉を紡いでいく。
「全くお前は…。一人で無理すんなって前言ったろ？」
Aが抱えてるもんちょっとは分けてくれよ。
辛いことも悲しいこともイライラも俺にぶつけろよ。
サンドバッグになるくらいは出来るからさ。
「友達として、お前を助けたいんだよ」
ほんと、お人好し。
それで自ら殴られに来る人なんて切島くらいだよ。
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あまね(プロフ) - 待って続き！かんけつまって！！！！ (11月4日 2時) (
レス) @page27 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
泉藍(プロフ) - 続きが気になるっ！！天喰先輩に言いたいこと行って来い夢主ちゃん！！ (7月4日 13時) (レス) @page27 id: a44d8709c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜桜伊織 x他1人 | 作成日時：2022年11月20日 17時
