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次の日の朝。
体は妙に軽く感じて、
そして変に静かだった。
古森も緊張しているのか、朝食をほぼ無言で平らげる。
うるさいのは嫌いだけど、
いざこんなにも静かになると少し不気味だった。
やはり3日目はひとつ大きな関門で、全国大会で勝つことの重さが先輩たちの目から伝わる。
俺は昨日もしっかり犬伏東の試合を見たし、
今日の公式WUでの細かい調整を残すのみ。
そして朝食を終え、会場へ向かった。
俺たちの試合までは時間があったため、チームの妙な雰囲気から逃げてフラフラ歩いていた。
「あ、臣くんやん。」
聞き覚えのある声で後ろから話し掛けられる。
「宮か。」
「せや。今回こそ決勝で井闥山倒すつもりやったんやけどなぁ。」
「あの烏野の10番、有名な奴?」
「いや、無名やな。」
「へぇ。」
「あれ目の前で見てみぃ。翔陽くんめちゃくちゃ跳ぶで?」
「やりたくない。」
「ほんでまたやりにくいったらありゃせぇへんのや。」
「それはブーメランだけど。」
あの宮がここまで言う奴は少し興味があるけど、
面倒くさい相手は出来れば当たりたくない。
「井闥山はどこと当たるん?」
「犬伏東。」
「あー、広島のとこやな。」
「そう。」
「安心せぇ、負けたら慰めに行ったるわ!」
「頼んでない。」
その時、ちょうど反対側で朔間っぽい女が歩いているのを見た気がした。
いやでも朔間だったら見に来るならそう言うだろうし、
当日券はきっと朔間の朝の弱さじゃ取れないだろうし、
そうすると前売り券。
だとしてもアイツの性格的に、前売り券なら取れた時点で言ってくるはず。
朔間がいるわけないのにそう感じてしまった自分が恥ずかしくて、
でもきっと、観に来て欲しいって思ってたんだと思う。
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ミオ(プロフ) - 漆原さん» 通知で飛んできました!笑こちらこそお付き合い頂きありがとうございました!!! (2020年7月16日 0時) (レス) id: 4065260f63 (このIDを非表示/違反報告)
漆原(プロフ) - 完結おめでとうございます!尊い可愛い良かった、ととても素敵な作品に出会えて良かったと思いました。更新お疲れ様でした。ありがとうございました! (2020年7月16日 0時) (レス) id: ed7638bb80 (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - ありがとうございます!!頑張ります!! (2020年7月3日 14時) (レス) id: d5bc6df56e (このIDを非表示/違反報告)
漆原(プロフ) - さくさくコンビめっちゃ可愛いしストーリーも面白くて好きです!これからも頑張ってください!応援してます! (2020年7月3日 14時) (レス) id: ed7638bb80 (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - さくみさん» きゃああ嬉しいです!ありがとうございます!これからも頑張ります!! (2020年5月23日 9時) (レス) id: a31c000f06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミオ | 作者ホームページ:I don't have.
作成日時:2020年5月18日 13時