Secret meeting【礼瀬マヨイ】 (ページ29)

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熱気ページ29

喫茶店を飛び出して撮影現場へと急ぐ。

段々と真夏に近づいているからまだ少ししか走ってないのに汗が吹きでてくる。

というかこの前の捻挫がまだ治りきってないからすっごい足首痛いんだよね。

ズキズキと痛む足首を少しでも刺激を与えないように走る。

そうしてやっと撮影現場にたどり着いた。
近くにいるスタッフの方に名前を伝えて撮影の同行許可を貰った。

「いやあ、それにしてもビックリしましたよ」

それもそう、本来だったら予定入っていたからね。
スタッフの方に予定がキャンセルになったことなど雑談をしていると少し離れたところにマヨイさんを見つけた。

休憩に入ったみたいだったから飲み物でも持っていこうとクーラーボックスに入っているお茶を取り出す。

視線をマヨイさんに戻すと何やら共演者の方と話をしているみたいだった。

「Aさん、ですよね？」

『え、あっ、はい』

少し気を抜いていたら見知らない方に声をかけられた。

どうやら共演者の方のマネージャーさんらしい。

正直今話しかけられても何も頭に入って来ない。
相槌を打ちつつ目はマヨイさんを捉えたまま。

共演者の女優さん、とっても可愛くてそれでいて綺麗だなあ。なんて考える。

それにしても、距離が近くありませんか。
さっきからモヤモヤしていた要因の一つがそれ。

ボディータッチの多さに唖然としているとマネージャーさんに再び話しかけられる。

「うちの子、どうやらマヨイくんのことが気になっているみたいなんです」

こちらの様子を伺うのうにしてそう話すマネージャーさん。

『そ、そうなんですね』

取り出したお茶もすっかり熱気でぬるくなってしまったので水滴を拭いてクーラーボックスに戻す。

「もしマヨイさんもそういうことを言っていたら応援してあげてくださいね、スキャンダルとかに抜かれたらあれでしけど…マネージャーとプロデューサーの私たちだけでも味方になってあげたほうが良いですし」

ギクリ、となったけど、冷静さを装う。
というか、多分マヨイさんはその気ないと思います。

でもなんだか痛いところ突かれた気がする。