【A3!】成人しても遅くはなかろう?

大きな発見 1 ページ19

いづみside


『そうですね、じゃあ初めはかんたんな……』

A
「いや。難しめやってみたいな」








え!難しくっ!?
でも、Aさん演技出来たっけ?

『Aさんて演技出来ましたっけ?』


A
「挑戦、か。な?」






そのあとﾎﾞｿﾘと言った

"自分を変えたい"に私は少し


いや、結構感動した









『じゃあ、難しいのでいきますね』

A
「ん」


難しいの、か



あっ

『「恋」なんてどうですか?』


A
「…やってみる」






するとおもむろに目を閉じ下を向いた

『……』



A
「……!?」






始まった


ビックリした顔で振り返るAさん
きっと誰かに肩を叩かれたんだろう

それがわかるシーン


自分の肩にビックリした後手を置いたから




目でその人のあとを追い座った
座ったのは隣

横を向いているから







楽しい・驚き・悲しいを顔で表現していて
見ていて飽きない



Aさんが目を細め俯き加減に下をむこうとする、と同時に

目を点にさせた



横をぱっと向き
ほっぺたを抑える





そして、立ち上がりその目の先は少し上を向き前を見る
きっと去っていったのだろう


Aさんはその後何秒かして




しゃがみ込んだ……

『……』








A
「どうだった?」

と聞き、立ち上がる
Aさんは「ちゃんと表現出来てた?」

そう聞いてくる





『表現出来てました、と言うか。人が、相手役が、見えました』









･








私はまだ驚いてる
Aさんがこんなにも演技が上手いことに

私が大発見をしてしまった



そして何より


Aさん本人は全くのど素人だと言う事





素人がこんなに上手いはずがない
かと言って本人は何もしていなかったはず









これは、いや皆。Aさんをこういうかもしれない




"天才" いや、されにうえをいく


"奇才" かもしれない────────









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