番外編1 〜結婚式〜 ページ35
「Aさん、……凄く綺麗だわ」
女性に爛々とした目を向けられるのは初めてなので、こちらとしてはそれが少しばかりこそばゆい。
『お義母様、ありがとうございます。こんなに素敵にして頂いて……』
今日は、私とフエゴレオンさんの結婚式だ。
フエゴレオンさんに事情を全て話した私は、
フエゴレオンさんのご両親に呼ばれてお二人にもお話することになった。
そして目出度く。
結婚することとなった。
しかしこれには、早婚が一般化されているこの国で15歳が若すぎることは無いと言っても、せめて準備期間を含めてあと2年は待とう、という裏話がある。
現在の私は17歳。
この2年間はあっという間の出来事で幸せに満ち足りていた。
まずフエゴレオンさんのお義母様は私の話に大変心を砕いて下さって今すぐ嫁に、と仰って下さった。また、うちの子におなりなさい、とも。
お義父様も、ヴァージリア家に戻らなくとも良い。うちの離れを使いなさいと言ってくださって、私は暫く実家には帰っていなかった。
「あら、良いのよ。うちの娘と言ったらメレオレオナでしょう?でもこんな装飾が施されたのは動きづらくて嫌だって言うし……。見てみたかったのよねぇ」
『ふふ、メレオレオナ様らしいですね』
メレオレオナ様には、結婚前の機会が合った時にお祝いの言葉を先に頂いていた。
「お恥ずかしいけれどそう言って頂けると、私も親として面目が立ちますわ」
一から作ってもらったことで相当なお金がかかっているであろう私のウエディングドレスは、下に行くほどにふわりと広がるプリンセスラインが美しいデザインで、至る所に意匠が凝らされている。
精緻なレースと美しいフエゴレオン家特有の家紋の魔法陣が描かれているところも一級品だと言える。
……私にとって、こんな晴れの舞台を体験できることはきっともう二度とない。
それほど幸せの絶頂にいると言えた。
「奥様、最後にこのネックレスを付けるのですが…」
「あら、ありがとう。ではあの愚息を呼びましょうね。最後の仕上げは任せましょうか」
そしてそこでコンコン、と控えめにノックがされる。
ラッキーカラー
あずきいろ
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妖狐の巴衛(プロフ) - マルメロさん» わかりました。ありがとうございます! (2018年3月25日 15時) (レス) id: 2ff3e29f1d (このIDを非表示/違反報告)
マルメロ(プロフ) - 妖狐の巴衛さん» お早い返事、ありがとうございます。そちら“にわか”と読みます。俄(にわか)…物事の急に起こるさま。という意味です。ここでは突然で信じられない。といった意味で使っております。 (2018年3月25日 13時) (レス) id: dcb3f35ff0 (このIDを非表示/違反報告)
マルメロ(プロフ) - 妖狐の巴衛さん» (続けます)がありまして、披露宴では夢主とフエゴレオンさんは隣に座っている+新婦を嫌らしい目で見られて不快な気持ちになる+今の声はフエゴレオンさんだ。これらからフエゴレオンさんと表したものなのですが、分かりづらいものになっていたようならば訂正致します。 (2018年3月25日 13時) (レス) id: dcb3f35ff0 (このIDを非表示/違反報告)
妖狐の巴衛(プロフ) - そうなんですね。ところで、「俄」なんとよむんですか? (2018年3月25日 13時) (レス) id: 2ff3e29f1d (このIDを非表示/違反報告)
マルメロ(プロフ) - 妖狐の巴衛さん» コメントありがとうございます。混乱させてしまったようで申し訳ありません。そちらのセリフはフエゴレオンさんのセリフとなっております。その直後に“隣で呟くように、小さく、あくまで陛下には聞こえないように囁かれたが、今の声はフエゴレオンさんだ。”という言葉 (2018年3月25日 13時) (レス) id: dcb3f35ff0 (このIDを非表示/違反報告)
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