文化祭マジック📐 ページ8
.
「正門先生っ！」
といつもの声に呼ばれて振り向く。
けど視界の中にはいない。
気のせい…？
「先生ってば！！」
ドシっ
『痛ったぁ…え？』
気付いたら後ろからパンダの着ぐるみが
突進してきて、倒れそうになるのをこらえる。
え、この中から声すんねんけど、まさか。
ふと2日前の会話を思い出す。
「先生、私、文化祭デートがしたいです！！」
『だーめ。』
「ぐぬぬ…やっぱりだめか…」
いつもの準備室でAと2人。
文化祭の前日の今日は
みんな最後の準備をしていて、
校舎内はどことなく賑わっている。
それはそうと最後の文化祭なのに、
こんなとこで油売っててええの？とも思う。
「本当にダメですか？私ずっと夢だったのに…」
『夢？』
「好きな人と文化祭で一緒に回るの…」
下唇をはむっと噛みながらそう言われて、
思わずそのまま食べたくなる。
いやあかんあかん。
"一応"手は出さないって事になってるし。
もし俺が教師じゃなくて、
例えばこの子の同級生やったら…
と思う時がないわけでもない。
けどそしたらこうなってたかもわからんし…
うん、やっぱりダメなものはダメ。
『ごめんやけど、それは出来ん。』
「……。」
『その代わり卒業したらOB訪問でもなんでも、叶える努力はするから、許して？』
な？と首をかしげるとこまでセットで
Aの目を真っ直ぐ見る。
ぐぬぬ…と葛藤しているAは、
何か思いついたのか、ポンと手を叩いた。
「先生、私、解決策見つけた！！」
『え？』
「楽しみにしてて！」
そう言うなり準備室を飛び出す。
廊下は走っちゃあかんでーと思いながら、
その時はそれで終わった。
そして今に至る。
『……西畑さん、』
「はいっ！」
『君、その格好で周るつもり？』
「もちろんです！！」
被り物の下で表情は見えないけど、
さぞ得意気な顔をしているんだと思う。
いや、あなたがそれでいいなら良いけど…
「行きましょう！！」
こうして俺とパンダ(を着たA)の
文化祭デートは始まった。
.
side you
人生初の着ぐるみは、
重いし暑いし、まあまあな不自由さ。
だがしかし、念願の文化祭デートのためなら
背に腹はかえられぬ！
『わぁ！先生、綿飴！』
正「食べたいん？」
『食べたい！』
正「どうやって？」
『……はっ！！』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 455人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふぉんと(プロフ) - もんびちぇさん» 全部大好きとのこと、本当に嬉しすぎます…！🥲こちらは思いつきベースなのでさらにペースが不安定ですが、Aハイツの続きももし書けたら書きたいと思っているので、その時は楽しんでもらえるよう頑張ります！ (6月19日 23時) (
レス) id: 15064ae05f (このIDを非表示/違反報告)
もんびちぇ - Aハイツとかの番外編をたまに見れるってことですか、？最高です😭ふぉんとさんのお話全部大好きなのでありがたいです😭これからも更新頑張ってください❗️ (6月18日 14時) (レス) @page5 id: a958b1a50b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふぉんと
| 作成日時：2023年6月14日 2時
