バ先の生意気くん🧡 ページ1
.
大「A先輩って、まじ効率悪いっすよね」
『へ、』
バイトが超絶忙しい中
バックヤードですれ違った一個下の後輩、
福本くんが私の耳元でそう言った。
びっくりして振り向いたら、
素知らぬ顔でジョッキを運ぶ福本くん。
え……っと、今のは？幻聴？
「Aー、手ぇ止まってんぞー」
『は、はいっ、すみません！』
店長から怒られて、慌てて意識を目の前に戻す。
そうだった、今日は華金。
駅近のこの居酒屋はありがたいことに大盛況で、
まさに猫の手も借りたい状態なんだから。
とりあえず一旦さっきのことは頭から追いやる。
ところが…
大「だから、今お通し作っても無駄ですって。」
『……(やっぱり気のせいじゃなかった…)』
次の日の土曜日。
今日もお店は混んでいてひぃひぃ言ってたら、
また福本くんに馬鹿にされる。
これで昨日のことも現実だと確信する。
いかん、イライラしてきた。
また言うだけ言って立ち去ろうとする後ろ姿を、
エプロンの紐を掴んで止める。
『ちょっと！』
大「…なんすか、てか呼び止めるのもエプロンの紐はやめてくださいよ。」
『え？』
大「紐引っ張ったら解けるでしょ？」
『あ、ごめん…』
言われたら確かに…と思えて、一旦謝る。
いや違う！今怒ってるのは私！
ぶんぶんと頭を振って切り替える。
『福本くんさ、昨日からなんなの？効率悪いとか無駄とか言ってきて、私先輩なんだけど！？』
大「いや仕事効率に先輩も後輩も関係ないし…」
『うっ…そ、そこはいいの！そうじゃなくて、なんでそんな事ばっかり言ってくるのかって聞いてるの！』
そう問い詰めたら、
福本くんは呆れたようにため息をついた。
それにまたカチンときていると、
「だって…、」と口を開いた。
大「A先輩、めっちゃ頑張ってるのにいつも空回りしてるから」
『……へ？』
大「今やって、お客さんに早く出したくてお通し作ろうとしてるけど、全体的に入れ替わりのタイミングやから、先にお客さん入れてからまとめて作った方がいいでしょ？」
『……確かに』
またしても言われたら納得する話で、
怒っていた気持ちはさっきよりも萎む。
なんだ、嫌われてたわけじゃないのか…。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 455人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふぉんと(プロフ) - もんびちぇさん» 全部大好きとのこと、本当に嬉しすぎます…！🥲こちらは思いつきベースなのでさらにペースが不安定ですが、Aハイツの続きももし書けたら書きたいと思っているので、その時は楽しんでもらえるよう頑張ります！ (6月19日 23時) (
レス) id: 15064ae05f (このIDを非表示/違反報告)
もんびちぇ - Aハイツとかの番外編をたまに見れるってことですか、？最高です😭ふぉんとさんのお話全部大好きなのでありがたいです😭これからも更新頑張ってください❗️ (6月18日 14時) (レス) @page5 id: a958b1a50b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふぉんと
| 作成日時：2023年6月14日 2時
