あいつ何系なの！？【桃】3

ありがとう ページ30

さとみside


さ「本当に大好きだったんだ。」


傍から見れば告白のこの現場も、別れ話の真っ最中である。



綾「私だって好きだった…っ」

さ「気持ちを信じてやれなくてごめん…」

綾「ぅん…」



それでも、これだけ泣かせても伝えなければならない。

それほどの大きな理由で俺にいままで付き合ってくれたこの子を振るのだから。


数年続いたこの関係に終止符を今打つ。



さ「今、好きな子いるんだ。」

綾「…」

さ「好きになって世界がまた変わった。ずっとそばに居たいって思った。こんなクズだってわかっても怒ってくれた…」

さ「最後までやり通す信念が好き。今度は俺が…弱い時に支えてやりたい。」



言い切った。言いたいことは言った。真剣に見つめるその瞳にはもう恋愛なんてものは感じない。



綾「…そんな貴方をいつまで好いてくれるわけ、？そんなの分かんないし、好きじゃなくなるかも…」


彼女が言っていることは分かる。
分かってるけど、それでも今の素直な気持ちに従いたいと思ってしまった。



さ「変わるかもしれない、それは分からないけど、それでも、」

さ「次は俺が…一緒にいたい」


綾「…そ。元彼女の前で好きなところを熱弁する奴とかほんとこっちこそお断り。…」

さ「！」

綾「これが最後だから…私からの応援。あの子手強そうだから、頑張って」


さ「…ありがとう」




好きだったよ、本当にあの頃君に夢中だった。
ずっと一緒にいるんだって信じてた…だけど変わってしまった。

それは君なのか、自分なのかそれは分からないけど…胸を張って言えること。




『最後の最後まで大好きだったよ、綾。そして────』



















『ありがとう』

変わらない→←彼女の気持ち

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