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6話 ページ6
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デクに対しては、俺は小さい頃から嫌悪しか無かった。
無個性の癖に俺に手を差し伸べるあいつを、根っからのヒーローだと決して認めたくはなかったからだ。
でもAは違った。
デクに対するような苛立ちよりも、｢俺が守ってやらなければコイツはいずれ死ぬ｣と物心ついたときから思っていた。
それは正しくその通りで、今回同様、Aはなぜか死に急ぐ。
考えより先に動いてしまうのだろう、そういう奴だった。
だから、俺がAのヒーローにならないと。Aを守れるのは俺しかいないから。
そんな自意識過剰にも似たような自分の誇りは、3年前に尽く崩れた。
目の前に俺がいたのに。
手を伸ばせばすぐに触れる距離にいたのに。
｢俺のせいだ、｣
目頭が熱くなって、途端に視界が歪む。
こうして自分を追い詰めて、Aの前で涙を流した回数は数えきれない。
まるで死んでいるかのような穏やかな顔は『泣かないで』と今にも言い出しそうである。
本当に言ってくれるなら、どれだけ良いか。
なぁ神様、何でもするから。
Aを返してくれよ。
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己に勝ちたい - アアアかっちゃん良かったねぇぇぇ！！！応援してます！ (2021年7月13日 23時) (
レス) id: f413eaa44e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りょ | 作成日時：2021年2月6日 21時
