LOVE SONG ［ Sho ］ (ページ31)

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紫耀Side

夏海との練習中、転んで膝を擦りむいた。

別にそんな大騒ぎするほどの怪我やないし。

あまり心配させたくなかったから

「保健室行ってくるな～」

それだけ言って夏海から離れた。

誰も居なく静まり返った廊下。

俺の昔から大好きな歌

「Love Song」を歌いながら歩く。

歌ってから保健室に入ると

いつも先生に怒られるけど

ガラッ

紫耀「失礼しま～す」

今日はその先生の姿は見当たらなく

いるのはA。

紫耀「あれ？先生おらんの？」

あ「先生留守だよ」

紫耀「Aはなにしとるん？」

あ「廉がいなくてすることないから寝てた」

紫耀「邪魔してごめんな。笑」

あ「いや全然！」

話し終わったあと、Aは俺の怪我に気付いて

すごい顔をして驚いたあとに手当てを始める。

俺が消毒で痛がると

「ごめんね～」って言いながらAも険しい顔する

顔に出やすいところがむっちゃかわええんだよな。

手当ても終わり、少し喋ったあとに

お礼を言ってから戻ろうとすると

あ「ねえ紫耀」

紫耀「ん？」

あ「さっき歌ってたのって紫耀？」

紫耀「あ…」

まてまてまて

くそ恥ずかしいやん…

「恥ずかし～」なんて笑ってる俺やけど

やばい、むっちゃ焦ってる

あ「紫耀歌上手いね、聴き惚れちゃったよ」

紫耀「…聴く？」

ソファに座っていたAの横に座って歌い始める

__昔からこの歌が好きで、よく歌ってるけど

今まで何も無かったのに

最近はこの歌を歌うとふとAのことを思い出す。

ほんで「会いたいなぁ」ってなって

胸がきゅーって締め付けられる。

歌ってる最中

隣でAはずっと俺のことみてくれてて

恥ずかしかったけど嬉しかった。

歌うことが好きやから

人にきいてもらうのも好き。

紫耀「…って、ほんまごめん

寝てたかったよな、邪魔してごめんな」

あ「いや全然、紫耀の歌声すごく素敵だったよ

ありがとうね！」

俺は立ち上がり、Aの頭を撫でた。

紫耀「ほんまAは照れ屋でかわええな

そういうとこ好きや」

そして、ずっと気になってたことを聞いてみる

紫耀「Aは、好きな人おるん？」

あ「いるよ。

紫耀は？」

紫耀「俺もおるよ

お互い頑張ろな」

そりゃそうか

自分から聞いたのに

なんでこんな泣きそうなんや俺。