LOVE SONG ［ Sho ］ (ページ30)

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あの歌声が紫耀なのはわかってる。

歌声が止まってから紫耀が入ってきたし

もはや聞く必要も無いこと。

だけど体はどうしても動いてしまう

紫耀「そうやけど…聞こえてたん？」

あ「普通に聞こえてた」

紫耀「恥ずかし～」

そういって顔を真っ赤にして照れ笑いする紫耀。

照れてる紫耀、何気に初めて見たかも

可愛いな。笑

あ「紫耀歌上手いね、聴き惚れちゃったよ」

紫耀「…聴く？」

そういうと紫耀は

ソファに座っていたわたしの横に座って歌い出した

紫耀「上手く息ができない初めて思った

傷跡もないのに胸を手で押さえていた

下向いて息を切らして歩いてた

つまずかないように

前進んでまた見失うばかり」

さっきと同じ

綺麗なハスキーボイス。

なんだか聴いていると落ち着いてくる。

紫耀「落書きしてたつもりが

ただ何かの上なぞっていただけな気がしていた

Don't know why

心と逆を向いても何も感じなくなっていく様に

また一人でキミを想うよ」

どこか一点を見つめて歌う紫耀

その表情は真剣で、どこか切なげで

いつもの紫耀とは全く違う

まるで誰を想って歌ってるよう。

紫耀「I Don't Wanna Sing Another Love Song

迷わないように

僕のシアワセのありかキミを目印にして

I Don't Wanna Sing Another Love Song

願いを歌にしてどこへでも届けに行くよ

So You Can Stay Right Where You Are」

何度聴いても聴き惚れてしまう、紫耀の歌声。

溢れそうな涙をグッとこらえた。

紫耀「…って、ほんまごめん

寝てたかったよな、邪魔してごめんな」

あ「いや全然、紫耀の歌声すごく素敵だったよ

ありがとうね！」

紫耀「こっちこそありがとな」

そういって立ち上がった紫耀。

紫耀はわたしの顔をみて微笑んで

頭を優しく撫でた。

___あ

やっとわたしも撫でてもらえた

もちろん

みるみる顔が熱くなっていく

顔が真っ赤だなんて鏡を見なくてもわかる。

紫耀「ほんまAは照れ屋でかわええな

そういうとこ好きや」

その言葉に驚いて

ハッと紫耀を見る。

紫耀「Aは、好きな人おるん？」

突然そんな質問をされてドキッとする。

あ「いるよ。

紫耀は？」

紫耀「俺もおるよ

お互い頑張ろな」

「じゃ！」と紫耀は笑顔で保健室を出てった。

あぁそうか

好きになるって

こういうことなんだね。