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【93】→続き ページ27

『Aside』
あれから1時間くらい経った今、宴はさらに盛り上がりを見せる。
豪華な懐石料理も運ばれてきて、ナツメちゃん達のは子供でも食べやすい和風料理だ。

カイラ「寿司にステーキか」

運ばれた料理を見たカイラさんは、小さく呟いた。

A「もしかして、嫌でしたか....?」
カイラ「嫌では無い。ただ、不思議な組み合わせだと思っただけだ」

軽く微笑むカイラさんが可愛いと思ってしまう。
たまにしか表情を変えない人だし、笑う顔を見れたらその日はラッキーだと従業員の中で噂になってる。

A「少し酔ってます?顔も赤くなってますし」
カイラ「あぁ、多分な。あまり、普段は酒を飲まないから早くに酔ってしまう」

そう話していると、着物の袖をクイッと引っ張られるような感覚がした。

エンマ「俺を放って置いて彼奴に構うなよ」

まるで捨てられた子犬みたいな目をして、ジッと私を見てきた。
あざと可愛い彼に悶々としながら、私は宥めるように彼の頭を撫でる。

A「少し乾いてきたようですけど、次はしっかりと乾かしてくださいね?風邪引いたら、大変ですし」
エンマ「だけど、お前に乾かして貰った方が一番効率良くないか?」
A「全くもう....子供じゃないんですから」

さっきみたいに距離が近いけど、甘えてくるエンマが可愛くて気にしなくなった。

エンマ「Aの体冷えてるから、ずっと触れていたくなるな」
A「大王様は、お風呂に上がったばかりでしたね」

普段でも暖かい体温を持つエンマは、冬場の時に凄く助かる。
言うなれば、高度なヒーターかもしれない。
若しくは、人型の暖炉?
(暖炉は少し可笑しい気もするけど)

エンマ「失礼な事考えてるだろ」
A「.......考えてませんよ、気の所為です」
エンマ「今の間は何だよ、結構空いてたぞ」

横腹を擽られる私は、彼から逃げ出す事も出来なくて笑い声を上げていた。
私が擽られてた中、エンマはカイラさんの方を向いて鋭い目で睨み牽制してた事は知る由も無かった。

【94】・酔わせる為に。→←【92】→続き



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作者名:カナミ | 作成日時:2024年2月7日 19時

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