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【27】・恋人達の甘い一日。 ページ29

『Aside』
何処へ行きたいとかは考えずに、ノープランのまま他愛もない話しながら歩いていた。

エンマ「そういや、猫又って普段は何処に居るんだ?」
A「う〜ん....普段なら、私の部屋でずっと寝てるか調理室で大判焼き食べてるかだけど」

“どうしたの?”と私が聞くと、エンマは困った様に笑った。

エンマ「いや、別に大した事じゃ無いが個室座敷に猫又が居てな」
A「(朝、猫又が居なかったのはそういう事か....)それで、猫又と何かあったとか」

何となくだけど、大抵の事は想像つくけどね。

エンマ「何かあった訳じゃない。ただ、俺の所に来れば大判焼きを食べれるからって言ってた。それに、俺とナツメ達が来るまで眠ってたんだぞ?」
A「猫又らしいね。食い意地と睡眠欲は、誰にも負けないもん」
エンマ「流石、趣味も特技も“寝ること”だけなのはある」

呆れた口調の彼に対し、私は昔の事を思い出して懐かしさに浸っていた。

A「そんなところが可愛いと思うけど」
エンマ「可愛いって....お前、本当に昔と変わらないな」

そう言って、小さく溜息をつくエンマが少しだけ昔(生前)の姿と重なった。
過去にも、こんな事あったなと思っているとムッとした表情の彼が私の顔を覗き込んだ。

エンマ「何で笑ってんだよ?」
A「今のエンマが少しだけ、昔と重なったの。あの頃も、同じ事があったなって」

懐かしく思っていたから、思わず頬が緩んでいた。

【28】→続き→←【26】・可愛過ぎるから。



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作者名:カナミ | 作成日時:2023年11月17日 1時

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