彼女は大王様に溺愛されてる (ページ27)

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【25】・お洒落してデートに行こう。ページ27

『Aside』
やっと午前中までの仕事が終わって、楽しみにしていたデートに行ける。

A「よし、これで良いかな」

部屋にある鏡の前で、カジュアル系なワンピースの裾を広げながら何度も姿を確認する。
髪型も三つ編みハーフアップにして、めいいっぱいお洒落した。

A「あとは....」

化粧棚から口紅を取り出して、唇に塗っていく。
ほんのりと薄い桃色が着き、最後の確認をした後にバッグを持って部屋を出る。

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部屋を出ると、向かい側の壁に寄り掛かって腕を組んでいる八鳳さんが見えた。

八鳳「可愛いじゃん。デート行くのに最適な格好だね」
A「な、何で私がデートに行くこと知ってるんですか?!今日は教えてないですよね？」
八鳳「Aの雰囲気からして、今日はいつもより幸せオーラが漂ってた」
A「私って、そんな分かりやすいですか...？」

“結構分かりやすい”と笑ってる八鳳さん。

八鳳「待ち合わせ場所までついてくよ」
A「でも、まだ仕事が....」

八鳳さんは、裏方の仕事だから殆どお客様と接点は無く後片付けや掃除の仕事が多い。

八鳳「少しだけなら大丈夫だって。ほら、行こ」
A「は、はい....！」

待ち合わせ場所に向かっていると、八鳳さんは私が口紅を着けてる事に気付いた。

八鳳「その口紅、確かお客さんの子供から貰ったものなんだっけ？」
A「そうですよ。高校生の娘さんが“いつものお礼”と言って、プレゼントしてくれたんです」

常連のお客様の娘さん。
暇な時には、少しの間だけ勉強を教えたりサービスでスイーツを作ったりしていた。
今も、たまに顔を見せてくれる度に綺麗になっていくから成長を感じられる。