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『話がある』
ある日、そう言われた。それは高杉と飴ちゃんを舐めながら廊下を歩いている時だった。
「俺ァ先に帰ってらァ。てめェの頭でじっくり考えろ。お前が後悔するようなことになるなよ」
そう言い、私の頭を小突いて帰っていった。そう言って去った高杉の後ろ姿は、寂しそうだった。
ーーー
「すまねェ、待たせた」
「ううん、全然」
「…」
ついにこの時がやってきた、と思う。私たちの間に気まずい沈黙が流れる。少しチラッとそうくんをみると彼は下を向いている。
「…A」
「は、はい!!」
「好きだ」
「俺と、付き合ってくれ」
ドクン、と心臓が跳ねる音がする。顔が赤くなっていくのを感じる。外で部活をしている人たちの声が聞こえなくなる。
ーーそうくんのことは傷つけられない。
ーでも、
「ごめんなさい」
「そうくんとは、付き合えない」
そう言うと、そうくんは私がそう言うのを分かっていたかのように笑った。その笑いは、そうくんが自分を嘲笑っているような気がして、嫌だった。
「…好きなヤツ、いんのかィ?」
「…分からない」
「でも、」
「大切な友だちは2人いるよ」
と言うと、そうくんは「そうかィ」と言った。そして、私の頭に手を置いて屋上から去った。
「なんでだろ」
『…分からない』
好きな人なんていないはずなのに、そう言った自分が分からなかった。ただ、
そうくんに告白されて、真っ先に高杉の顔が浮かんだ。
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ミズキ(プロフ) - 亜水さん» わかります。。この小説は私の憧れを詰め込んでます笑 (2019年9月8日 8時) (レス) id: db1738cc34 (このIDを非表示/違反報告)
亜水 - いいなー、こんな日常。ふとしたところで幸せを感じそう。 (2019年9月7日 23時) (レス) id: 9d2ec575ec (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ(プロフ) - みぃさん» ありがとうございます!亀更新ですが応援してくださると嬉しいです、!(><) (2019年8月16日 19時) (レス) id: db1738cc34 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 初めましてです!とっても面白いこの作品が大好きです。更新頑張ってください! (2019年6月19日 21時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミズキ | 作成日時:2019年4月7日 20時