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近藤さんはおちゃらけていたものの、1番をキープしており、十四郎くんにバトンが渡った。
「うーわ、はっやァ…」
「まァ俺の方が速いけどね」
「黙らっしゃい」
神威くんって負けず嫌いだよなァ…と思いながら余計なことを言う彼を小突く。すると神威くんお得意の3倍返しで私を背負い投げしてくる。
「いったァ!!おいお前ゴルァ!!女の子に背負い投げはないんじゃないの!?あァ!?アホ毛抜いて取り柄なくしてやんぞ!」
「やってみなよ。お前の自由がなくなってもいいならね」
「スイマセンデシタ」
即座に土下座をかまし、ポケットに隠し持っていたクッキーを差し出す。すると彼は上機嫌になり「許してあげるよ」と言う。ちょろいものだ。
「っあ、そうくんだ…」
十四郎くんからそうくんへバトンが渡った時にそう呟くと神威くんから「A」とすごく真面目な声で言われた。
「な、何…怖いなァ」
「Aさ、優しすぎるんだよ」
「でも言葉遣い悪いよ?」
「そういう問題じゃなくて。あの栗毛に変な気使ってない?」
確かに。高杉を馬鹿にしないで、そう言っているが反面、そうくんに嫌われたくないと機嫌をとっている。
なんで分かるの?と神威くんの顔を見上げると、彼は優しい顔をして「息詰まってちゃ、俺達みたいに自由になれないよ」と言った。
その言葉に心を刺されて、そうくんなんか忘れて、バトンを受け取った高杉に叫んだ。
「高杉ィィィイ!!ファイトォォォオ!!!」
「シンスケ頑張れ〜!!」
見事Z組は1位を勝ち取り、総合でも1位になった。
「神威くん」
「楽になった気がする!ありがとね」
「親友を傷付けられるのは困るからねェ」
彼はそう、不敵に笑った。
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ミズキ(プロフ) - 亜水さん» わかります。。この小説は私の憧れを詰め込んでます笑 (2019年9月8日 8時) (レス) id: db1738cc34 (このIDを非表示/違反報告)
亜水 - いいなー、こんな日常。ふとしたところで幸せを感じそう。 (2019年9月7日 23時) (レス) id: 9d2ec575ec (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ(プロフ) - みぃさん» ありがとうございます!亀更新ですが応援してくださると嬉しいです、!(><) (2019年8月16日 19時) (レス) id: db1738cc34 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 初めましてです!とっても面白いこの作品が大好きです。更新頑張ってください! (2019年6月19日 21時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミズキ | 作成日時:2019年4月7日 20時