元花柱の女の子

29話 ページ32

猗「破壊殺…」


「花の呼吸…」



かれこれ技を出し続け1時間以上が経った。




「…はぁっ、はぁっ」



まずい…、目眩が………




「ぁ…」


夜明けだ。





朝日がのぼる。



ここは場所的には陽光が差す。




猗「ここまでか…楽しかったぞA。また会おう。」





「…っやば」




本当は分かっていた。





猗窩座は絶対女の人を殺さないこと。


食べないこと。


だから少しだけ私の方が有利なはずだった。



分かっていたからこそ、こんな有様だ。






1人で勝てなかったと思い込んだから？


そんなの言い訳に過ぎない。己の強さが弱かったから逃してしまった。あそこで斬らなければ被害が増えるというのに。


あの時猗窩座は強い、才能があるって言ってた。



他者からの過大評価なんて要らない…






最後まで戦い抜いてこその柱である。





もう…


「…自分が、…何をしたいのかっ……わかんないよぉ……お母さんっ、」





大粒の涙が地面を濡らす。





「私は…ど、するのがっ正しいのかなぁ…」




分からない。







ブチッと、太い心の糸が少しずつ切れていく。


でも、そんなもの私は気づくはずもない。





「……鍛錬、しないと…」





外では長時間、伊地知さんを待たせている。




これ以上は待たせられないから急がないと。




〜〜〜〜〜




伊「花宮さん大丈夫ですか？！随分と長く戦って…」



「大丈夫です、体力の使い方を間違えただけなので。寝たら治ります。」



伊「ですが…！念の為家入さんに「伊地知さん。」…？」



「このこと、五条先生にも生徒にも言わないでくださいね？本当に私は大丈夫ですから。」




伊「……わかりました」





「…すみません、ありがとうございます」





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈






ﾍﾞﾝｯ


ﾍﾞﾝｯ


ﾍﾞﾝｯ



猗「ご報告に参りました、無惨様。」




無「何か収穫があったのか？」




猗「また花宮Aの生存が確認出来ました。呼吸法も変わらずです。」




無「ほう。これでほとんどの鬼殺隊員が揃った。あの時の復讐といこう。」




猗「はっ！」






無(竈門炭治郎、花宮A…。

楽しくなりそうだ、お前らは私が必ずこの手で殺す…)

30話→←28話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す