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七十三話 女の子は怖いよ編 19 ページ26

一二三side

一二三「ひぇ………」


俺っちはただ震えて呆然としていた。

今のはハイパーボイスと、超音波ってやつ?


目の前にいた金髪の女の子が、咆哮のようなものをあげると

信じられないことに…窓際の激しい炎たちが風圧によって道をあけたのだ。

裏「あー喉いてぇ。あんま超音波は使うもんじゃねぇな。」

一二三「……?はぁっ、ふぅ、」

やはり、女の子は、怖い。

色々ありすぎて上手く頭に整理が追い付かず、呼吸が浅くなっていく。

裏「今なら窓際の火が避けてるんだ、早く行くぜ!」

一二三「ひゅ、っ」

顔を近づけてくる女の子に、冷や汗をかく。

裏「おい!!なにして……」

金髪の女の子は手を差し出し、俺っちを起こそうとするが。

何も言えず、ただ浅い呼吸をしていると、

何か察したように女の子はまた顔を近づけた。
それが心臓を一気にはね上がらせ、恐怖をさらに与えてくる。

今になって、女性恐怖症の限界が来たようだ。

一二三「……ひゅっ…!!」

すると、しばらく考えていた彼女は俺っちを凝視しながら口を開いた。


裏「お前、さっきから何が怖い?」



そんな声がふりかかり、何とか髪で隠しながらだが顔をあげ、彼女の方へ恐る恐る向く。



裏「俺が怖いか。」




その目つきは確かに鋭くて怖い。なんなら見た目からしたら彼女はヤンキーに似たようなもんだ。

しかし、俺っちを見るそれは、どこか悲しそうで。


一二三「……ひ、い。ぁちが、おれ……」

裏「……。」


いくら自分の苦手な女の子とは言え、助けてくれようとしている女の子に申し訳なさすぎて弁解しようとしたが、喉からは、「あ」「う」しか出てこなかった。


裏「だぁー…めんどくせえな…!!もう、いい!」

一二三「うぁっ!?」

何も言わない俺っちにしびれを切らし、咄嗟に女の子は、俺を脇に抱きかかえて窓へと飛び乗った。

いきなりのことで振り払う事もできず、窓際まで運ばれる。

その瞬間、多くの建物や青い空が広がった。

はるか下を見ると、消防車や多くの人が集まっていた。ここから見ると、かなり高い階らしい。

一二三「ぇえ、ななななにを…!…っはひゅ、」
小脇に俺っちやストーカーの女の子を抱える彼女に震えながら問いかける。

聞かれた方は、「は?」とキレ気味に俺っちに視線を送った。

裏「見てわかんねーのか、



ここから飛び降りるんだよ。」




一二三「…は…」

拝啓、独歩ちん。俺っち今日初めてビルからダイビングします。

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設定タグ:ヒプノシスマイク , 飴村乱数 , 逆ハー   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:雪ん娘☆ミ | 作成日時:2018年9月18日 18時

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