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七十一話 女の子は怖いよ編17 ページ24

一二三side

裏「おい、しっかり歩けや。このままチンタラしてっと消し炭になんぞ…!!」

一二三「はひぃ!!泣ごごごごごめんなさい…」

相手が女の子のせいでしりごみをしてしまい、こんな緊急事態でも彼女に掴まるのを躊躇するのでもたつく。

金髪の女の子は業火の中、肩には女の子、俺っちも支えて部屋の外へ出ようとする。

が、


バチバチッ!!

ゴォォォォ……


裏「……チッめんどくせ…。ドアが火に塞がれてら。」

廊下に出ようにも、部屋のドアはすっかり燃えてしまって、とても通れそうになかった。

すると、

消防員「ー…い、……大丈夫か……今いくぞー…」

一二三「!ああああの、遠くから声が…」
震える声で俺っちは床を指差すと、金髪の女の子はしかめっ面に答えた。

裏「火消しの野郎共が下の階にいるらしいな。」

一二三「火消し……、消防員?たた、たすかった…?」

俺っちがそう言うと、彼女は「いや、」と声を漏らした。

裏「野郎を待っていれば俺達が死ぬわ。
ぜってー間に合わねえから、こっちの窓から抜けんぞ。」


そうして、彼女は女の子と俺を掴み、窓際に向かう。


しかし、窓もドア程ではないがしっかり炎に包まれてしまっている。
というより、この部屋事態がかなり燃え盛っていて、俺っち達が生きていることが不思議なくらいである。

一二三「ど、どうすれば……」


裏「……。」

バチバチと火の欠片たちが自分の体にも襲いかかる。もはや、一刻の猶予もない。

そして、考え込んでいた様子の金髪の女の子は「しょーがねーな…」と小声で呟いた。

裏「あんまりアレ、やりたくねーけど緊急事態だしな…!





おい、お前!ちょっと耳塞いでろ!」



一二三「はいっ!?(汗)え、え?」


彼女のイミフな発言に思わずすっとんきょうな声をあげると、彼女はより一層大きな声を出した。

裏「いーから言うとおり早くしろ!死にてーのかてめえ…!」

一二三「あひゅぅごごごごごごめんなしゃい泣!!」

気圧されて、言うとおりに慌てて耳を塞いだ。

彼女をチラ、と見ると、体勢を低くし……
スー…と煙が入らない程度に息を吸う動作をしていた。

裏「……−−−−」


ぴたっと、彼女は止まる。



次の瞬間−−−−−−−









裏「「「グォオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!」」」



一二三「…ヒュッ」

恐ろしい程の、まるで怪物のような咆哮が響き渡ったのだ。

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設定タグ:ヒプノシスマイク , 飴村乱数 , 逆ハー   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:雪ん娘☆ミ | 作成日時:2018年9月18日 18時

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