六十七話 女の子は怖いよ編13 ページ20
私と寂雷先生は火事騒ぎのする場所まで着くと、たくさんの人が群がっていた。
野次「うわー…すっげぇ燃えてる…」
野次「まだ消えないのかしら。」
「こ、これは……」
廃ビルは大きく煙を上げながら、ごうごうと燃えている。
独歩「離せ!!俺のダチがいるんだよ!!」
「独歩さん!!」
私は赤髪の男性に駆け寄った。
何やら消防員の人と揉めているらしい。
独歩「!Aさん!!先生!」
寂雷「独歩君、これは…」
駆け寄ると、独歩さんの目は涙の後で赤かった。
「せ、説明してください…!一二三さん何があったんですか?」
それまで息の荒かった独歩さんは、唇を震わしながら声を発する。
独歩「一二三に、ついていたストーカーが…一二三と焼身で心中しようとしてるらしくて……っ、まだ、あの中に一二三が、一二三がいるんです!!」
私の隣にいた寂雷先生にすがり付く独歩さん。
寂雷「落ち着いて…独歩君…!!きっと一二三君を助ける方法があるはずだ……!」
「……っ」
私はもう一度燃え盛る廃ビルを見つめる。
とは言っても、廃ビルはかなり奥まで燃えている。
消防員の人も広い範囲の消化活動にてこずっているのも見られた…。
消防員「駄目だ…、火のまわりが早すぎる…!!早くしないと、中にいる人間が死ぬぞ……!!」
そんな、消防員の物騒な声が耳に入ったのか、独歩さんは膝から崩れ落ちた。
「独歩さん!!」
独歩「俺の、せいだ…。」
独歩「俺が、もっとちゃんと一二三を……見てたらこんな事には、」
寂雷「独歩君、君のせいじゃない…。そんな事を言っては駄目だ…!」
独歩さんの目から大粒の涙がこぼれおち、その口からは嗚咽が漏れていた。
−私も、一二三さんを守るお手伝いさせてください!−
そうだ。約束したんだ。
一二三さんを守るお手伝いするって。
だったら、ここで見てる場合じゃない。
−助けなきゃ−
私は静かに決意するとどく、どく、と痛いくらいに心臓が動いた。
「…独歩さん。」
私は独歩さんの瞳をまっすぐに見つめた。
「助けます。
一二三さんを」
独歩「!?」
そう言って私は走り出し、消防車の近くにあったバケツを二つほど手に取る。
待っててください、一二三さん。
私が、絶対に助けに行きます……!!
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作者名:雪ん娘☆ミ | 作成日時:2018年9月18日 18時