六十四話 女の子は怖いよ編10 ページ17
理子「A、
スマホの画面なんかちっと割れてね?」
「え?」
私はすっとんきょうな声を発した。
「が、画面?」
理子「おん。まじまじ〜、ちょい貸してみ?」
理子がスマホを私から取る。
なんだ…てっきり私は、飴村さんと関わるな!って怒られると思っていた。
「ほ、本当に?そのスマホ、どこが割れてた?
」
胸を撫で下ろしながら理子に近づいた。
「…?どこも割れてなくない?」
私は目を細める。
自分のスマホを見るが、理子の言っていた傷は、見当たらない。
「理子?」
理子は背が私より高いので、こちらが見上げる体勢になる。
すると、理子は首を捻りながら笑った。
理子「あれれ?マジ?割れてるよーに見えてたンだけどなぁー、勘違いだったわ!メンゴメンゴ。」
「そ、そうなの?よかった、割れてなくて!
このスマホ新しいし、高いから買い換えなきゃいけないかと思ったよ〜…(汗)」
すると、昼のチャイムが鳴り響く。
私はそれに慌てて立ち上がる。
理子「んお?A、アンタこれから授業あんの?」
「うん、まだ授業があるの。理子は?」
理子「ないから、帰るわ〜大学自体マジダルいしぃ〜!」
理子は綺麗に飾ったネイルをいじりながら、ためを息ついた。
「だるいって…、なんのために大学来てるの…(汗)」
理子「ん〜暇潰しかな。つーか早くいきなって!遅刻するっつーの!」
「あああ、そうだった!(汗)行ってきます!」
私は理子に見送られながら教室へ向かったのだった。
−−−
理子「私が、大学に行く理由、か〜…」
一人外のベンチに残された彼女は、ぽつりと呟いた。
理子「……そんなの、」
顔をあげると、黄色い声が耳に響いた。
女1「やばーい!教室間に合わないかも〜!」
女2「早くしてよー!遅刻するってば!」
それを見つけると、彼女はそれに的を絞った。
理子「……アンタ守るために決まってんじゃンよ。」
二重人格の娘とは違う、
意図的に染められた髪が、ゆらりと影の中で揺れる。
女1「ねぇ、何か変な音しない?」
女2「…え?そう?」
女1「するじゃん!シュルシュルって。後ろからなんかはってきて……?
あ。」
−気づいたときには−
−もう遅い−
大学で人気だった女生徒二人が入院した事をAが知るのは、翌日の事であったのだった。
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作者名:雪ん娘☆ミ | 作成日時:2018年9月18日 18時