検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:132,036 hit

五十八話 女の子は怖いよ編4 ページ11

理子「Aなにしてンの?」


「理子……。」

それは、昔馴染みの友達…理子(りこ)だった。


女1「理子じゃん。」



片方の女が、幼なじみの名を呼び微笑んだ。
私には怖い顔をしていたと言うのに…(汗)

「り、理子…あの…えっと…」


女二人(飴村さんのファン…?)に迫られているこの状況をどうやって説明しようか。

何も口から出てこなくて、目が泳いでしまう。


すると、女二人が理子に楽しそうな口調で喋り始めた。


女2「理子〜聞いてよ。この地味女、飴村君と仲良くしてんだって。」


女1「生意気でしょ?だから今私らで忠告したわけ〜」


理子「……。」


ボロクソに言われる私は返す言葉が見つからず、ひたすらうつむいた。


しばらく沈黙が流れる。


ザァッ…と、軽く風が吹きはじめて、さらさらと私の髪も揺れる。


理子……、私…どうしたら…。



次の瞬間、

黙っていた理子の口から衝撃の言葉が飛び出していた。


理子「うっわ。あんたら、恥ずかしくねーの?女が寄ってたかってさァ」



「…えっ」

私はすっとんきょうな声をあげた。

びっくりして顔をあげると、周りの視界が目に入る。


私の横にいた女二人の目も見開かれていた。


女1「…は?」

ウェーブのかかった女は、分かりやすくひくっと口元をひきつらせた。

それに対して理子も怯まず、淡々と続けた。


理子「なに?もしかして聞こえなかった系?

じゃ、今から言うからよく聞いといて。」


理子「人いじめてるあんたらの方が、よっぽど恥ずかしいっつってンの。」



女2「はっ、なに、それ」


女1「理子、あんたこんな地味女かばうの?あんたに不釣り合いじゃん!」

女は顔をひきつらせたまま、理子へまくし立てた。


地味女…。たしかに私は理子と違って本当に地味である。

理子は金髪に染めていて、綺麗なピアスも開いていて、ネイルも鮮やか……。

いわゆるギャルってやつで、暗い表の私には到底釣り合ってない。



女が言うことにも、一理あるのだ。


「……。」

【自分には魅力がない】。

わかってはいたが…いざ自覚をすると、惨めな気持ちが一気に押し寄せてきた。

じわ、っと少しだけ目頭が熱くなる。


喉まで悲しい感情が上ってきていて、かなりしんどい。


理子「そういうことする方がよっぽどブスだっつーの。」


すっ、と目を細める理子…。


理子「……ひがみで、ウチのダチいじめてンじゃねーぞ…コラ……!!」


その瞳の奥には、確かな怒りの炎が微かに燃えていた。

五十九話 女の子は怖いよ編5→←五十七話 女の子は怖いよ編3 ※嫉妬ちょいいじめ



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (154 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
363人がお気に入り
設定タグ:ヒプノシスマイク , 飴村乱数 , 逆ハー   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雪ん娘☆ミ | 作成日時:2018年9月18日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。