一緒に行く 雑渡side ページ8
伊作「……何の騒ぎなんですか、これ」
もう寝ようと思っていたのだろうか、寝巻き姿の伊作くんがいた。
雑渡「……Aちゃんが、まぁ、君たちに合わせていうなら天女が消えたんだよ」
伊作「！」
雑渡「自らの意思じゃない。攫われたんだ」
伊作「攫われたって……誰に……！？」
雑渡「君には話せないかな」
そういい踵を返す。
伊作「待ってください！」
食い下がる彼に、私は少々の威圧感を込めて話しかけた。
雑渡「私たちは彼女を殺しに行くんじゃない、助けに行くんだ。君達は彼女を天女と見做して迫害しているというじゃないか」
伊作「そ、それは……！」
雑渡「だから君を連れてはいけないし、君に詳細を話すことはできない」
今度こそ行こうとした時、彼は私の腕を引いた。
伊作「お願いします！僕も一緒に連れていってください！」
雑渡「……いいの？」
伊作「彼女が攫われた理由を知りたいんです。何をしていたのかも。先生方が動いたということは、僕たちに関わることです。
それが僕たちのためだったら、それなら」
言葉を詰まらせる伊作くん。
謝りたい、ということが言葉を介さずに伝わってくる。
伊作「雑渡さんや先生方には到底及びませんが、全力を尽くします。だから、お願いします」
頭を下げる彼に、私はため息をついて腕をそっと振り払い、言った。
雑渡「解った」
伊作「じゃあ！」
雑渡「着替えて、今すぐ。私が60を数え終える前に戻って来なかったら置いてくから」
伊作「はっ、はい！！」
走り出した一歩目から盛大にずっこけた彼を見て、連れて行かないほうがいいかと本気で思う。
雑渡「同室の彼に勘づかれないようにね〜」
伊作「は、はいっ、ぎゃあっ！」
またしても転んだ彼に呆れつつ、私は「ひとつ、ふたつ」戯れに数え始めた。
,
私が56を数えた頃、彼は戻ってきた。
先生方やその他の生徒も用意を終えたようで出発を待っている。
三反田「……善法寺先輩？」
伊作「あ、へへ……」
転んでズタボロの姿を見られて苦笑する彼に、信じられない顔をする先生方
雑渡「彼から同行を申し込まれました。連れて行きます」
伊作「お、お願いします……」
居心地の悪さから逃げず、礼を欠かない彼。
三反田くんも受け入れたようだ。
土井「それでは、案内をお願いします」
高坂「ええ。急ぎますよ」
高坂を先頭に、私たちは学園を飛び出した。
★──────★
順位ありがとうございます！！！
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ラッキーアイテム
革ベルト
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柑橘 - この作品が一番好きなんです！いつか最新される日を願っています…！ (3月13日 15時) (
レス) id: 9eaae6032f (このIDを非表示/違反報告)
もち米マン(プロフ) - 更新がありますように…！(*´･ω･) (6月11日 3時) (レス) @page26 id: 483e70a4e0 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん - 更新待機中(*・∀・)つ (5月24日 21時) (レス) @page26 id: 407aeb7a76 (このIDを非表示/違反報告)
光陰矢のごとし(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。個人的に天女ものが大好きでこの作品を読ませていただきましたが、とても読み応えがあって、続きが気になります笑これからも更新頑張ってください！！ (2023年1月2日 22時) (レス) @page26 id: 04bb5063ad (このIDを非表示/違反報告)
にょきにょき(プロフ) - コメント失礼します。3回ほど読み返しましたが設定から内容ストーリーも新鮮で斬新でとても好きです。下級生、くのたまちゃん達が好きなので読んでいてとても嬉しい？わくわくしております！主人公ちゃんには幸せになって欲しいと思いましたね← 更新応援しております！ (2022年9月25日 9時) (レス) id: 7282b40af5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉夜月 | 作成日時：2022年1月7日 1時
