タソガレドキ忍軍 ページ5
雑渡「私の部下の紹介がてら、君にもちょっと変装してもらおっか」
彼はそういうと、そこら辺にあった丁度いい岩に私を腰掛けさせ、髪を掬った。
雑渡「山本陣内、高坂陣内左衞門、押都長烈、諸泉尊奈門、安心していい、私の信頼できる部下たちだ」
信頼できる、と言われたことに若干顔を綻ばせるような彼らだが、自分の名前が呼ばれた時にはしっかりと私に会釈をしてきた。
鼻歌を歌っているが、雑渡さんは今私の髪の毛をお団子にするので忙しいのだろう。
貴女「風月Aと申します。急な話でしたが、この度はご協力いただき誠に感謝しております」
極力丁寧に礼を言うと、彼らからは少しだけ緊張をほぐすような雰囲気が伺えた。
山本「そんなに畏まることはない。君も大変だったと聞いている」
貴女「まぁ、はい」
高坂「いきなり連れてこられたというのに天女として扱われ、挙句こんなことになろうとは……君は凄いな、平和な世の中で育ったとは思えない」
高坂さんにそう言われ、私は少しだけ頷いた。
貴女「終わりそうですか？」
雑渡「いや……もうちょっと、待って。人の髪を結うのは久々でね」
苦戦している雑渡さんをよそに、私たちは話を進めた。
貴女「……あなた方には、話しておきます。
天女とは、異なる時代で死を迎えたものが一定の確率と他者の意思を持って、別の時代へと送り込まれたものです。
神を自称する存在が、私をここに連れてきました。
そしてその神から天女のやらかしたことの尻拭いをさせられています。けれどそれは問題ではない。
問題なのは、天女がまた送り込まれるということです。
あいつは私にわざわざその話を持ってきた。
私に彼女を殺させるつもりでした。
私が学園を直そうと、アイツがいる限り天女はまたやってくるでしょう」
驚くわけでも、訝しむわけでもなく目の前で語られた情報を精査している彼らに感嘆する。
さすがだ。
諸泉「それで、君はそれをやり遂げたら元いた場所に変えるのか？」
貴女「帰りません。親にも学友にも疎まれていました。勝ちに来てから受けた扱いを、元々されていたようなものです。
こちらに来る時に自死をしています。
おそらく、戻ることはできません」
諸泉「……そうか」
彼はそれ以上何も聞かなかった。
情報を精査しているのかと思ったが、どうやら違うらしい。
自死している。
やはりこの時代とでは命の価値が違う。その行為がどのような意味を持つのかは、私にもわからない。
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ラッキーアイテム
革ベルト
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柑橘 - この作品が一番好きなんです！いつか最新される日を願っています…！ (3月13日 15時) (
レス) id: 9eaae6032f (このIDを非表示/違反報告)
もち米マン(プロフ) - 更新がありますように…！(*´･ω･) (6月11日 3時) (レス) @page26 id: 483e70a4e0 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん - 更新待機中(*・∀・)つ (5月24日 21時) (レス) @page26 id: 407aeb7a76 (このIDを非表示/違反報告)
光陰矢のごとし(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。個人的に天女ものが大好きでこの作品を読ませていただきましたが、とても読み応えがあって、続きが気になります笑これからも更新頑張ってください！！ (2023年1月2日 22時) (レス) @page26 id: 04bb5063ad (このIDを非表示/違反報告)
にょきにょき(プロフ) - コメント失礼します。3回ほど読み返しましたが設定から内容ストーリーも新鮮で斬新でとても好きです。下級生、くのたまちゃん達が好きなので読んでいてとても嬉しい？わくわくしております！主人公ちゃんには幸せになって欲しいと思いましたね← 更新応援しております！ (2022年9月25日 9時) (レス) id: 7282b40af5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉夜月 | 作成日時：2022年1月7日 1時
