言葉 ページ18
あれだけ荒ぶっていた感情が、徐々に落ち着きを戻していく。
外に放り出されて冷えていく体のように、私の全身を支配していた熱は段々と落ち着きを取り戻していく。
残ったのは、壮絶な虚無感。
泣き叫んでいられたうちはまだ幸せだったのかもしれない。現実から逃げるように、ひたすら声を上げられるのだから。
それすらも無くなって、どこか冷めた感情が心の中に落ちていた。
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貴女「………すみません、取り乱しました」
気がつけば、そう言っていた。
私からゆっくりと離れていく雑渡さんに、どこか申し訳ないなと思いながらも、私は足元に転がる少女の遺体を指さす。
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貴女「次の天女です。私が殺しました」
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息を呑む声が聞こえてきた。
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貴女「我々は約５００年後の時代から来ました。日本は一つの国となり、戦争もなく飢餓もない、安定した平和な国です。
世界有数の技術力と高い生活水準を誇り、あなたたちとは違い命の危機に晒されたことなど、ほとんどのものがあり得ません」
淡々と出てくる言葉に一切の詰まりはない。
予め用意していた台本を読んでいるかのように、頭の中に順繰りに言葉が浮かんできた。
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貴女「天女は、若くして無くなった少女のうちから………無作為に選ばれます。そしてここにきて、初めて選ばれたことを知る。
なぜそうなっているのか、どう言う仕組みなのか誰も知らない。そもそもそんな事象が起きると言うことすら、私たちは知らなかった」
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伊作「……今までの子達と、君の違いは何？」
貴女「経験じゃないですか。他の天女たちもこの子も、親に愛され周囲に恵まれた。
私の両親は私などいらなかった。
幼かったころ、勉強ができなくて殴られたり、部屋に閉じ込められたりするのは当たり前でした。
父は優秀な子供が欲しかっただけで、出来損ないの私などいらなかった。
母は父と一緒にいるために私を産んだ。面倒で自分たちの生活に水を差す私など邪魔だった………。
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母が抱きしめてくれたことも、父に頭を撫でてもらったこともない。笑いかけてくれたことすらなかった。
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学校でもそうです。
私の何がイラつくのか、私は常にいじめられていた。殴られ蹴られ持ち物を取られ、金を取られ………教師たちも私のことを助けてはくれなかった。
この女も、私を嬉々としていじめていた奴の一人です。こいつが次の天女なんて、殺す理由ができて好都合でした」
心にもないことを、言い続ける。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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ラッキーアイテム
革ベルト
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柑橘 - この作品が一番好きなんです！いつか最新される日を願っています…！ (3月13日 15時) (
レス) id: 9eaae6032f (このIDを非表示/違反報告)
もち米マン(プロフ) - 更新がありますように…！(*´･ω･) (6月11日 3時) (レス) @page26 id: 483e70a4e0 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん - 更新待機中(*・∀・)つ (5月24日 21時) (レス) @page26 id: 407aeb7a76 (このIDを非表示/違反報告)
光陰矢のごとし(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。個人的に天女ものが大好きでこの作品を読ませていただきましたが、とても読み応えがあって、続きが気になります笑これからも更新頑張ってください！！ (2023年1月2日 22時) (レス) @page26 id: 04bb5063ad (このIDを非表示/違反報告)
にょきにょき(プロフ) - コメント失礼します。3回ほど読み返しましたが設定から内容ストーリーも新鮮で斬新でとても好きです。下級生、くのたまちゃん達が好きなので読んでいてとても嬉しい？わくわくしております！主人公ちゃんには幸せになって欲しいと思いましたね← 更新応援しております！ (2022年9月25日 9時) (レス) id: 7282b40af5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉夜月 | 作成日時：2022年1月7日 1時
