君のオト、俺のオト【からぴち】3 (ページ4)

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94。(うりside) ページ4

…あれから1ヶ月。

ゆ「だっせぇ！笑笑」

う「笑うなよ！」

も「それは颯斗チキンすぎ笑」

う「護人まで…」

何も行動できてないことを、柚杏と護人にバカにされてる。
この1ヶ月で、Aさんは動画デビューを果たした。ゲームはまだまだ俺らには及ばないけど、その語学力を活かして動画を盛り上げてくれている。今日も動画を撮るとか何とか言ってたっけ。

ゆ「それで、どうすんの？」

う「…大切にしたいって気持ちばっか募ってさ、どうしたらいいか分からないんだよ。どうやったら、この想いが伝わるかとか考え始めたら止まんなくて…そ、それに…は、初恋…だから」

ゆ「え、まじで！？」

も「…颯斗がAさんのこと好きだってことは本人以外みんな知ってるわけじゃん？だったらみんなにアドバイス貰ったら？例えば、過去に彼氏彼女いた人にどうやって告ったかみたいなさ」

う「俺らにそんなリア充いるか？」

ゆ「ん～」

も「と、とりあえず！まずは珠紀と尚毅さんに小さい頃の話聞きに行くよ！」

…初恋がこの歳って笑っちゃうよな。
まぁ、昔色々あったし。まだAさん以外誰にも言ったことはない。

う「珠紀～？」

じ「…なに？」

う「ちょっと聴きたいことあって。今時間平気？」

じ「いいよ～！なになに？」

う「Aさんのことなんだけど、」

じ「おっ！遂に小さい頃の話聞く気になったか！？」

う「うん。そろそろ行動に移したくて」

じ「じゃあなお兄呼んでくるわ！ちょっとまってて」

この2人に許しを貰えたら、Aさんとちゃんと付き合えるかもしれない。

じ「ってか今日平日やん！なお兄仕事だわ笑」

う「…あ、俺この後授業あるじゃん！」

じ「また今度だな笑多分なお兄休日なら暇だろうし、その時ゆっくり話そ」

う「おん！ありがとな！」

少しの期待と、大きな不安を胸に今日もAさんを想う。そして、あなたにとっての"1番"になりたい。

こんなに人を"好き"になれたのは初めてだから、どうしても叶えたい。
だけど、迷惑じゃないかな…。

ど「颯斗も授業？」

う「そーだけど？あれ、通1人なん？」

ど「そーなの！今日はAさん授業ない日なんだよね～。ちょっと寂しいけど笑」

Aさん居ないんだ。だったら授業終わったらすぐに帰ろう。今家を出たばかりなのに、すぐに会いたくなる。

『あれ、お出かけ？』

ど「あれ？撮影は？」

『罰ゲーム食らったからその買い出し笑』

早くなる鼓動が、今の俺の答えだ。