君のオト、俺のオト【からぴち】3 (ページ3)

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93。(うりside) ページ3

心臓止まったよ。一瞬。

だって、さっきまで寝込んでたAさんが、急に思い詰めた顔して部屋を急いで出ていったんだよ！？俺が部屋を出た時にはもう見えなくなってた。
…俺、Aさんにとっての"重荷"だったのか？
俺がAさんのこと、苦しめてたのかもしれない。

う「みんな！Aさんが一人がいいって…いや、逃げたというか、居なくなったんよ！ねぇ、俺の責任だよね…」

な「何焦ってんの笑 Aは元々そういう人だから心配しないでよ。僕探してくるから」

う「…」

尚毅さんは、Aさんの幼馴染だったよね。俺よりもずっとAさんのこと知ってる。俺が焦ってるのに、尚毅さんは顔色一つ変えずにAさんのこと探しに行った。しかも、その顔には自信が見えた。
きっと、Aさんのこと知ってるから、どこにいるか検討がついてるのかもしれない。こんな俺と比べて、ずっとずっと大人だ。

も「颯斗、"尚毅さんだから"じゃなくて、"颯斗だから"が絶対あるはずだよ。そこ、見失わないでね」

う「…？」

も「あ、変な意味はなくて、そのままの意味だから」

う「そのままの意味って…？」

も「だから、他人と比べんなってこと！あのAさんだよ？颯斗が迷ってれば気を使っちゃうのも分かるでしょ？だから、ありのままでいいんだよ？」

護人さんに言われて気付くなんて、遅すぎたかな。

も「そう、その顔、忘れちゃだめだからね？」

う「ありがとう！」

『あ、あの！』

ちょうどいい所でAさんと、尚毅さんが帰ってきた。
今の俺は、ちょっとだけ自信がある。悩んでばっかじゃ、誰も楽しませられない。…俺実況者だもん。

う「どうした？」

『さっきはごめんなさい。私…"カラフルピーチを抜けたい"…』

じ「え！？ちょ、それは初耳なんだけど！？まじで！？」

『…って思ってたんです！倒れる前に柚杏くんが私やメンバーのために色々考えてることを知って、私なんて要らないんじゃないかって思っちゃったんです。だけど、尚毅に言われて気付いたんです。全部独りよがりだったって。まだ動画も、大学だって、シェアハウスも何もかも新しい環境になってそんなに経ってない。なのに今私が消えたら、私の居場所なくなっちゃうなって笑抜けませんけど、少しだけ考える時間をください。柚杏くんは絶対に今のカラフルピーチに必要だから』

ゆ「聞かれてたの…笑」

話の流れが掴めない。
それでもこれだけは言える。

"俺が守る"

この約束は今だ。