検索窓
今日:99 hit、昨日:129 hit、合計:141,207 hit

好きなものが13つ ページ13

『オフに呼んでおきながら、用事は髪のセットだけなの何なん』

「悪気はねぇって。スタイリストが休みなんだから仕方ないだろ〜?」

『俺も休みだったわアホ』

スパン、とまだ櫛を通す段階から進めてない頭を叩く。

「ってぇ!」と頭を押さえるのは、長尾景。
顔と行動が合ってないと言われている男。

『っはぁ……おら、はよ後ろ向け。セット出来んやろ』

そう言うと景は素直に後ろを向いて、無駄に長い髪を俺に見せた。

『ってか、お前何でこんなに髪の毛長いん。ケアとか大変そうで見るのも嫌になんねんけど』

「んー…さぁ?気まぐれ」

『ほーか』

櫛を持って髪に通せば、少し引っ掛かるくらいですぐにすとんと毛先まで落ちる。
…女顔負けのサラサラ髪だなおい。

『今日着る服は』

「あれ」

景の指す方向を見れば、そこに乱雑に置かれた服があった。

『あれ店のもんなんやから大事にしーや。ボーイが大変になるんやから』

俺がそう言うと、景がもぞもぞと動く。
『動くな、どアホ。動いたら崩れるやろ』と言いながら櫛を渡せば、大人しく受け取った。

「今思ったんだけど、Aって何でそんなにボーイの仕事内容分かんの?他の奴に聞いても、みんな知らないって言うのに」

『元々ボーイやったからやけど』

俺がそう言うと妙な沈黙が流れた。

「え?ちょ、もっかい言って」

『元々ボーイやったからやけど』

宇宙猫(景)が完成した。

「え、Aが?ボーイやってた?」

『何回言えば分かんねん…。何年も前に、ここじゃない店でやっとった。そこを、翔に拾われた感じやな』

「へ〜。おもしれー話聞けちゃった感じ?」

そう言う景と鏡越しに目を合わせた後、俺は首を振った。

『そんな面白い話とちゃうで。そりゃここのボーイを見たら面白いと思えるかもしれんけど』

髪を縛り、いつもの髪型にしてやれば「あんがとー」と言われる。
俺は『おう』とだけ返事をして、カバンを持つ。

「んで?何で面白くないわけ?」

ぐるり、とこっちを向いてそう言う景を見下ろす。
面白い話とちゃう言うてるやろ。

『普通のボーイの話やで』

「普通だったら支配人でさえ知らないボーイの仕事知ってるはず無いんだけど」

うるさい。

「で?」

うるさい、

「何か言ったらどーですかぁ」

うるさい

『うるさい!!!!!』

俺の気も知らないで、ズカズカと踏み込みやがって。
バリ、と景の背後で鈍い音がなる。

『研修の時言ったよな、深堀りすんなって』

好きなものが13.5つ→←好きなものが12つ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (163 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
650人がお気に入り
設定タグ:2j3j , strm , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

????(プロフ) - 待ってッッッ⁉︎ njsjライバーだけじゃなくてc|rのstrmさんまで出してくれるんですか、、、‼︎ しかもdrskとか需要ありまくり感謝ですm(_ _)m 最後の翔とのイチャコラてぇてぇもごちです これからも更新楽しみに待ってます(´∀`*) (11月1日 2時) (レス) @page33 id: f2ebaa7bc8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:病帰-yamiki- | 作成日時:2023年9月28日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。