【オリジナル】おさげちゃんと人誑しくん (ページ33)

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第3話-17-side:H.K ページ33

取り残された陽人は美月が消えていった方角を呆然と見つめていたが、やがて噴き出すと、脱力するようにベンチの背に寄りかかった。

「あーもう、ほんっとに………可愛いなぁ」

先程の美月の反応を思い出しながら、陽人は小さく呟いた。

学校ではあまりにちょっかいかけすぎて敬遠されちゃってたから、少しでも距離を縮めたくてデートに誘ってみたけど。…あんなに顔を真っ赤にして、俺の一挙手一投足に表情コロコロ変えてくれるおさげちゃんが見れるなんて思わなかったな。

おさげちゃんの真面目さを利用して、恋人になって。てっきり嫌われたままかと思っていたのに、彼女が俺の事を見てくれていたり、彼女の方から俺を知ろうとしてくれていたりするのが嬉しくて。

「少し、やりすぎたかな…」

心理的な距離を縮めたいのは勿論のこと、物理的な距離も縮めたくて。困らせることを分かっていながら、彼女に触れた。

…まぁ、後悔はしていないけど。

「にしても、おさげちゃんが贈ってくれたコレ、本人はどういう意味合いを持ってるか知らないで贈ったんだろうけど…」

ネックレスに付いた指輪を改めて触りながら、口角を上げる。

ネックレスも指輪も、…独占欲の証なんだよ?

指輪は愛の象徴。ネックレスに関しては「あなたの心とずっとつながっていたい」という意味があるとか。真偽は定かでは無いけれど。

「束縛って嫌いなんだけど」

…彼女になら、されても良いと思う。

思いながら、ふ、と笑みが溢れる。

「おさげちゃんは、周りには俺達の関係性は秘密にしたいんだもんね。だから、俺が誰かにそれを話す事は無いけど。…贈り物にちょっとしたメッセージを込めるぐらいは、許してほしいな」

誰に訊かせるでも無い呟きは、宙へと消えていった。

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【余談】陽人の贈り物に込められたメッセージ
(※以下の白い部分をコピーしてどこかに貼り付けるか、safariなどで「リーダーを表示する」を押すと読めます)

イヤリングは古くからお守りとして使われていたため「いつでも見守っている」という意味合いを持つ。関係性を深めたい相手に贈る。

リボンは縁結びや相手との絆を深めたいという意味合いを持つ。

クローバーは葉1枚1枚が誠実・希望・愛・幸運の象徴。CLOVERの綴りの中にLOVERという文字が含まれていることから秘められた愛という意味も。