過去という名の光。Ⅱ (ページ10)

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自然とレポートを書く手が止まっていた。

手を動かさなきゃいけない。

廉くんとはもう関わらないって決めたのに、

｢…なんで｣

｢ん？｣

｢わたしっ…廉くんのこと傷つけた…自分のいい様に振り回した…なのに、なんで？どうして私に関わるのっ…!!｣

｢さすがにちょっとは傷ついたけど、Aになら振り回されてもいいって思ってた｣
｢…Aのことが好きだから｣

どうしてそんなにも真っ直ぐな目で好きと言えるんだろう。

私にははっきりと気持ちを伝えることなんて出来なかった。

｢…ねえ、前の関係に戻りたいとか言わない。でも、…顔合わせた時くらいだけでいいから話しかけさせてよ。……お願い…｣

震える声で話す廉くんは初めて見た。

私はこんな綺麗な心を持ってる人と一緒にいていいのか

廉くんとの目線が交わる

真っ直ぐな目で見つめてくる廉くんに

私はただ頷くことしか出来なかった。

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廉くんとの時間は減った。

でも、会う度に話しかけてくれるのは今までと変わらない。

今まででと変わらない表情で、声なのに、少し遠くなった気がするのは距離感のせいだ。

今まででが多分、近すぎただけ、
一度距離を置くことで自分たちが周りからどのように見られていたのか分かった気がする。

付き合ってもないのに、あの距離感はおかしすぎたんだ

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