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ぼんやりしたままテレビを見てたら、背後から扉の開く音が聞こえて思わず身体が跳ねた。
｢へっ...？すばるくん...？｣
慌てて時計を見やっても、やっぱり普段のすばるくんの起床時間より随分早い時間。
すっかりあと1時間は起きてこやんと思ってたから、ご飯も炊けてへんし、お味噌汁も一旦冷めてしまってるかも知らん。
｢おはよ｣
そんな慌てた僕の様子も気にすることなく、すばるくんはぼんやりした顔のまま声を掛けるから、僕も思わず｢おはよう｣なんて、ぽかんとしたまま返した。
｢...すばるくん、今日は早い...ね｣
敬語はやめて欲しいって言うすばるくんの意見に従って敬語を抜こうとしたら、語尾がうまく出てこやんくなるのは、まだ慣れへん。
｢おん。なんか目ぇ覚めた｣
いつもはちょっと目覚めてもすぐ二度寝するけど今日はどうも寝れんかったらしい。
｢...イルミネーション｣
｢...え？｣
僕の横に座ったすばるくんがテレビから目を離さずに言うから、僕もテレビの方に目を向ける。
｢あ。テレビの音うるさかった...？｣
それで起きてしまったんかと、いまさら遅いけど音量を下げようとリモコンに伸ばした手は、すばるくんに遮られる。
｢そういう意味ちゃう。イルミネーション、観に行きたいんかって｣
｢へ...？｣
ずっとテレビ見とれとったからって、付け足された言葉に合点がいく。
ぼーっとテレビを見つめとったんが、彼にはそう捉えられたんや。
ぼーっとテレビ見てんのはいつものことやけど、すばるくんが起きてくる頃にはいつもテレビ消してキッチンおるから。
僕の顔を覗き込むすばるくんの瞳が、ちょっと嬉しそうな、子どもみたいなキラキラした目に見えたから。
｢...うん。観に、行きたい｣
なんて、嘘をついてしまったのも仕方ないと思う。
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神流(プロフ) - 杏奈さん» 一応、『今夜このまま』というタイトルで書かせて頂いておりますが、もしかしたらログインユーザーでないと見つけられないかも知れません...こちらのサイトの決まり上申し訳ないです(泣) (2019年2月26日 16時) (
レス) id: eb9eb7727a (このIDを非表示/違反報告)
杏奈(プロフ) - 裏短編集読みたいのにもう長らく見つけられてません（泣） (2019年2月18日 22時) (レス) id: ef58cf710e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神流 | 作成日時：2018年11月15日 12時
