純情わたがしとの付き合い方【赤緑】

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その後も｢飲みたい｣｢あかん｣のやり取りは続いて。


痺れを切らしたらしい大倉が俺に身を近づけて手を伸ばしてくる。


｢うわっ｣


酔ってて力上手く入れれへんかったんか、大倉はちょっとよろめいて俺の方に倒れてきた。


俺の腰を囲うように手をついたから、自然と大倉との距離が近くなって、ふわりと香ってきた匂いに思わず息を呑む。


｢…あっ、ごめ、なさい｣


やっぱりまだ意識はちゃんとしてるんか、いつもみたいに慌てて俺から離れようとする。


せっかく近くまで来た俺と同じ匂いが離れていくのが嫌で、思わず大倉の手を取った。


｢…横｣


｢へ？…よこ？｣


ウロウロ目が動き回る大倉の頬が赤いのはお酒のせいちゃうと思う。


さっきまで赤くなる程は飲んでなかったし。


無言でソファーの俺の横のスペースをぽんぽん叩いたら、戸惑った顔して俺を見る。


｢えっ…渋谷さん、の…横ですか？｣


それ以外どこがあんねん。


控えめでオドオドしてる大倉は可愛いけど、ちょっと虐めたなるのも事実。


大倉の問いかけも無視して直視し続けたら、おずおずと俺の横に座る。


決して大きくないソファーの上。


風呂上がりで暑いはずやのに、俺より少し体温の高い大倉の身体が当たってるところが何故か心地良かった。



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