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隣から永遠喋りかけてくる女の話に適当に返事しながら時計を見れば23時になるとこやった。
「ちょ、ごめん」
「えっ、すばるどこ行くん?」
すぐ戻るから、なんて変な気遣って女を置いて大倉とヨコのおるテーブルに向かう。
「おおくら」
大倉の座ってる斜め後ろから声を掛けて振り返った大倉の目がちょっととろんとしてる。
「あー、渋谷さん」
ちょっと酔ってんな。喋り方がふにゃふにゃしてる。
「お前終電大丈夫なんか?」
この前逃してるのを知ってるから声掛けたのに。
「あ〜、大丈夫ですよ〜今日横山くんの家泊めてもらうんです」
ねー、なんて大倉がヨコに向かって話し掛けるから見たら、ヨコもそこそこ出来上がってる。
「おー、大倉の面倒は俺が見るから心配すんな」
なんやねん。いつの間にそんな仲良くなってんねん。“横山くん”なんて呼んでるし。
「横山くん美味しいお店いっぱい知ってるからこれから連れてってもらうんですよ〜」
ホクホクとした笑顔の大倉は嬉しそう。
悪かったな。俺は旨い店なんか知らんくて。
「すばるはどうせあれやろ?」
なんてヨコが俺がいたテーブルに目をやる。
そうやけど。今まで会社の飲み会で持ち帰り無かったことなんかないけど。
「なんなん。先抜けるん?」
「おー。もう金は払ってるしそろそろ抜けるわ」
ヨコが立ち上がると大倉も立ち上がる。
「どうしたんすばる」
「…別に」
何も言わんと突っ立ってる俺をヨコも大倉も不思議そうに見るけど思わずそっぽを向いた。
「ふーん。早よ戻ったれよ」
嫌味っぽくヨコに言われて、分かってるわなんて吐き捨てて踵を返す。
「渋谷さん」
ふと背後から掛かる大倉の声に振り返る。
「お疲れ様です」
酔ってんのか今から旨い店に連れてってもらえんのが嬉しいんかふにゃふにゃして笑い掛けられる。
「ん」
なんか分からんけど黒いモヤモヤが心の隅に芽生えた気がして、それを悟られたくなくて大倉の顔も見ずに適当に返事をした。
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神流(プロフ) - yume.no.さん» コメントありがとうございます!続編でも楽しんでいただけるように頑張ります! (2018年6月14日 22時) (レス) id: 04abcd0b9d (このIDを非表示/違反報告)
神流(プロフ) - (名前)ゆーきゃんさん» ありがとうございます!従順わんこは、大学生の間に出来上がっておりました...笑 踏み込んだイチャイチャ...書けるように頑張ります!書きたい踏み込んだやつ書きたい…!笑 (2018年6月14日 22時) (レス) id: 04abcd0b9d (このIDを非表示/違反報告)
yume.no.(プロフ) - はじめまして♪このお話大好きで更新されるのを楽しみにしていました!!終わってしまったときは寂しかったですが、本編後の話も見られるということでとても嬉しく思っています!また楽しみにしてますね♪ (2018年6月11日 19時) (レス) id: 716f977705 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ゆーきゃん(プロフ) - 神流さん» 「始まりの日」読みました!大倉くんの一目惚れだったとは、、、意外でしたー!だからあんなに従順だったのね笑 続編、嬉しいです!楽しみに待ってます!二人のもうちょい踏み込んだイチャイチャとか、期待していいですか?! (2018年6月11日 19時) (レス) id: 9b0edcc515 (このIDを非表示/違反報告)
神流(プロフ) - (名前)ゆーきゃんさん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません。終わっちゃいました…作者ながら自分が悲しくなってしまい、続編を作成するに至りましたので、楽しみに待っていただけたらとても嬉しいです(^^) (2018年6月11日 17時) (レス) id: 04abcd0b9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神流 | 作成日時:2018年4月30日 17時