XV ページ16
うらさんが倒れた。何の音沙汰も無く急にバタンと。俺は泣き叫ぶ事を止め、うらさんに歩み寄る。
「うらさんっ!?」
「センラさん、誰か呼んできてくれへん!?」
(何でまーしぃは冷静なんだろう)
まーしぃはセンラに病院内の誰かを呼ぶように指示した。センラは少し上の空だったけど、まーしぃの声を聞くと、ハッとして直ぐに病院へと駆け出した。
そして、センラと入れ違いで、Aを運ぶために救急医が来た。
「もう一人、医者は来ますので。」
そう言い残して、Aを連れていった。
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「うーらーたーさん」
Aの声が聞こえる...?どこから?
ゆっくりと瞼をそこは黒が広がる世界。目が暗闇に慣れてくるとAの姿が見える。
つうっと伝う温かいもの。溢れて止まらないこれはきっと涙。Aが細い指で俺の涙を掬う。
「うらたさん泣かないで...なんで泣くの?」
こっちだってわかんねぇよ...なんでAがいるんだよ...なんで怒ってないんだよ...ここどこだよ...
心の中を読んだかのように、Aが優しく笑って、説明し始める。Aのこの笑顔、久しぶりに見たな...人を落ち着かせてくれる不思議な力をもつ笑顔。
「ここは、生と死の狭間。とは言っても、うらたさんは死んでない。私は残念ながらもう死んでるんだ。当たり前だけど」
「うらたさんがここにいるのは、うらたさんが倒れたから。最後に何か恩返ししていきたいじゃん?」
「私が怒ってないのはね、なんかもう誰も悪くないんじゃないかって思い始めたから、かな。」
嘘、だ...怒ってないなんて嘘に決まってる...
だって俺は、まーしぃにも、Aにも、酷いこといっぱいして...
「確かに、私は皆から裏切られて、アンチの標的にされて、限界だったし辛かったよ。それは本当。...でも、うらたさんはちゃんと、まーしぃの事を考えて、これ以上まーしぃに無理させないように考えて行動してたと思うよ?」
ふわっ...と、包まれた。優しいシャンプーの香りが落ち着けて、温かい気持ちになれて、心が軽くなる。
心を読まれているようなくらい的確な言葉に、俺は耳を傾け続ける。
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こんぶ(プロフ) - yukiさん» 羨ますぃ…(´・ω・`) (2018年3月5日 6時) (レス) id: bab35d6b03 (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - こんぶさん» 私は花粉症じゃないので大丈夫です!←謎の自信 (2018年3月4日 21時) (レス) id: 3ec2ac3674 (このIDを非表示/違反報告)
こんぶ(プロフ) - yukiさん» 去年買った花粉症用眼鏡は全く歯がたちませんでした。それどころか私眼鏡かけるとなんか鼻の上?がむず痒くなるんですよ(泣)yukiさんも気を付けてください!←だからどう気を付けろと (2018年3月4日 11時) (レス) id: bab35d6b03 (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - こんぶさん» 花粉凄いらしいですね... 花粉には気を付けてください!(どう気を付けろと) (2018年3月4日 6時) (レス) id: 3ec2ac3674 (このIDを非表示/違反報告)
こんぶ(プロフ) - yukiさん» 最近は花粉の季節ですね。←唐突)私花粉症なので唾じゃなくて鼻水だったのかもしれません。←あ、ちなみに今これ書いてるときもくしゃみ二連発でましたありがとうございます。← (2018年3月3日 23時) (レス) id: bab35d6b03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YUKI x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b722b48c3b1/
作成日時:2017年9月30日 6時