半間くんがウザい【 番外編 】

キャバクラで(幹部軸) ページ18

.







甘ったりィ香水の匂いと甲高い甘えた声。

相まって頭が痛くなってくるギラついたこの店に来たくもねえのに来てんのは、仕事上の付き合いだからで。


接待じゃねえぶん多少気楽ではあるが頭ン中は“帰りたい”の文字で埋め尽くされている。



フロアの奥のＶＩＰルームに通され、一人ずつ隣に嬢が着いていく。

キレーな姉ちゃんがキレーな服着て でっけぇ乳と太ももを惜しげも無くさらけ出して引っ付いてくるのは前までなら別に悪い気もしなかっただろう。実際アフターという名のお持ち帰りもしてたし。


隣に引っ付いて座った一回りも年下の女が媚びるようにあれこれ聞いてくるのをフルシカトでフルーツ盛りを貪り食う。
Aちゃんが食ってんの一口貰ったりしてたら甘いもん好きになってきた。メロンうま。



えらく盛り上がってる向こうの席からはコールまで聞こえてきて、１０年若けりゃあの場のド真ん中にいた気もするが、もうそんなエネルギーは無い。






「 あっちすごい盛り上がってますね〜 」


「 行きたきゃ行ってこいよ 」


「 半間さんすごい私の事厄介払いする〜！ 」






むしろキャバクラでひたすらフルーツ食ってる客の方が厄介だろ。






「 ソラちゃん向こうのヘルプ入ってあげてくれる？ 」


「 はぁい 」






ストン、と隣に腰を下ろした女。
ヘルプに行った若い方は席を離れ、向こうの若いグループにすぐ馴染んでいた。






「 キャバにきてひたすらフルーツ貪り食ってる男初めて見るんだけど 」


「 ･･･ァ？ 」






えらく馴れ馴れしいこの女。

付かず離れずの距離で覗き込んでくる顔には見覚えがあるような無いような。






「 まぁそりゃ十年以上昔のセ フレのことなんて忘れてるか 」


「 あ？･･･あ〜〜〜･･･、･･･アカリ？ 」


「 アリサね 」






言われてようやくそんな関係の女が当時は何人かいたことを思い出した。









.

▽→←▽

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す