半間くんがウザい【 番外編 】

喧嘩(幹部軸) ページ11

.






『 ───･･･香水くさい 』


「 しゃーねーだろ 」






･･･なんだろう、すっごくイライラする。


別に仕事の付き合いでそういうお店に行くのは構わない。
酔っ払って帰ってくることもあるし、スーツのポッケから名刺が出てくるのも日常茶飯事。
なんなら名刺は集めて楽しんでるくらいだし、私が。
勘違いさせたくないから、って絶対に連絡はくれるしその辺りはなんの心配もしていないのだけれど。






『 はやくお風呂入ってきてよ 』


「 どうせ今からすんだから後でいいじゃん 」


『 しないけど。私もう眠いし 』






でもやっぱり 他の女の子と香水の匂いが移るくらいの距離にいたと思うと嫌な気持ちにくらいはなる。
何時間もずっとくっついてたの？私のなのに？






「 ･･･なぁ、何キレてんの？ 」


『 別にキレてない 』


「 キレてんじゃねェか。言わなきゃわかんねェだろうが 」






修二くんの口調が変わってきた。イライラしはじめてる。






『 だから別に何もないってば 』






言ってどうにかなるような事じゃないもの。
割り切らなきゃいけないのは私の方で、それができてないんだから悪いのも私。
謝らなきゃいけないけど 今謝ってもそのままの流れでベッドに連れてかれそうだし、そうなるとこの甘ったるい他の女の香水の匂いをまとった修二くんに抱かれなきゃいけない。

もういいからはやくお風呂でその匂いを落としてきてほしいの。そしたら思いっきりくっつけるから。






「 何もねえならキレてんじゃねえよ 」


『 もう分かんなくていいからほっといてよ･･･！
いいからはやくお風呂入ってきてってば、 』


「 チッ、なんなんだよダリィな 」


『 ッ、 』






だりぃ、って はじめて言われた。

面倒くさがりの修二くんの口癖で 出会った頃から一度も私に対して言われたことなんてなかったのに。


だるい？面倒臭かった？･･･そうだよね、修二くんはいつも通りなのに私が勝手にイライラしてただけだもんね。






『 ･･･ぁ、ダメ泣きそう 』






じわじわと喉の奥が熱くなって、床に雫が落ちた。

一旦泣いちゃえばもう自分じゃ止められなくて、なんでこんなに不安定なのか自分でもわからなくて。
ガッタガタの精神状態で修二くんに当たっちゃう自分が本当に大っ嫌いで。

リビングのソファで膝を抱えて泣いた。






『 ･･･っごめんね、 』


「 顔見て言えやコラ♡ 」







.

▽→←▽

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す