半間くんがウザい【 番外編 】

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突然、背後から明るいトーンの声が半間くんの名前を呼んだ。



私の頭に顎を乗せたまま私ごと振り返るものだから思わずふらついたけれど 長い腕が腰にまわっていたので転ばずに済む。






「 ･････････ダレ？ 」


「 はー？あんだけヤって覚えてないの？アリサだよ 」


「 ･･････あ〜〜〜･･･、 」


「 まじありえねー！
てか最近全然連絡ないじゃん。生きてたんだ？ 」






何が悲しくてこんな会話を聞かなければいけないのか。


この人の胸元のリボンの色で３年生、つまり先輩だとわかる。
大きく開いた胸元からはこぼれ落ちそうな胸と、キラキラ輝く大ぶりのネックレス。
それに短く折られてるスカート、太すぎず細すぎない綺麗な足。

着崩した制服と派手な化粧がよく似合うザ・ギャル って感じの綺麗な人。






「 全然振り向いてくんねぇ本命がいるからなァ？ 」






頼むからこっちに話題を振るな。本命とか言うな。

必死で空気と化してたのに、その場の全員の視線が私に降り注いだ。






「 へぇ〜、このコが修二の本命〜？ 」


『 っ、 』






がし、と肩を掴まれて 否が応でも先輩と視線がかち合った。
綺麗に化粧が施されたまつ毛の長い目に見つめられて思わず体が硬直する。






( なんかいい匂いする･･･！ )






大人っぽい。近くで見てもすごく綺麗。






「 何この子チョー可愛いんですけど 」


『 ･･･へ、 』


「 オレのだから盗ンなよ 」






思わぬ展開にアホみたいな声が漏れる。

私よりも背の高い先輩に抱きしめられ、やわらかい胸に溺れそうになった。






「 ごめんね〜、コイツとアタシ、まじでただのセ フレだっただけだから！
好きとか一切無いから！クズだし！ 」


「 言いたい放題か、テメェも大概だろ 」


「 本命できたなら確かにアタシ用済みだわ。
もう連絡しないでね！てかケー番消しといてー！ 」







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