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テヒョンにタオルを渡して、散らかってる部屋を軽く片付けた。
そのあと、テーブルを挟んで向かい合わせに座ったけど、もう何分経ったんだろう。
最初は髪を拭いてたりしてたけど、することがなくなってからはずっと無言。
僕は話すことなんてないから、はやくテヒョンが話してほしい。
「 ……… 」
『 ……… 』
「 ……あの、さ 」
しばらく経って、テヒョンが喋った。
急でびっくりしたけど、僕の目線はテープでテヒョンの顔なんて見れない。
なにを言われるのか予想もつかなくて怖い。
「 俺、…その、」
『 ……っ 』
「 …俺、ずっと、今もAのこと好きだよ 」
『 ぇ、』
なんてことを言うんだ。
なんで僕なんだ。
僕はただ、テヒョンが女の子と幸せになってほしいだけなのに。
またあんな酷い言葉を言われてほしくないのに。
なのになんで、そんなこと言うの。
「 防弾少年団を頑張ってこれたのも、ここまで有名になれたのも、全部Aに会いたかったから 」
『 ……意味わかんない、』
「 有名になったら、あのときAのご両親に言われたことの、ちょっとでも反抗になると思って、」
テヒョンが言ってるのは、多分僕のお母さんが言ってたこと。
今でもはっきりと覚えてる、
" デビュー出来ても人気が出るかどうかわからないわよね " ってやつ。
テヒョンって、本当にわからない。
僕だったら絶対にメンタルやられて頑張れなくなる。
「 あの日のこと全部覚えてるよ 」
『 っ、』
「 Aのご両親に言われたことも、Aに言われたことも 」
『 ぼくは、っ 』
「 僕じゃなくて女の子と幸せになれ、って?」
言おうとしてたことを言われて、はっとして顔を上げた。
その瞬間、テヒョンとばちっと目が合った。
目の前にいるテヒョンは、きっと僕よりも酷い顔をしてる。
今にも泣きそうな、悲しそうな顔。
「 あのとき俺言ったよね、別れたくないって 」
『 て、ひょ、』
「 それなのにAは自分だけ言いたいこと言って、すぐどっか行って、っ 」
テヒョンの目からぼろぼろと涙が溢れてる。
苦しくて、辛いって顔をしてる。
「 っ、俺は、Aじゃなきゃ、幸せになれない、…っ、」
だんだん小さくなっていくテヒョンの声。
それでも、はっきりと聞こえた。
胸が、痛い。
心がすごく痛い。
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田中(プロフ) - リズ憂孤さん» ありがたいです、、助かります、、 (2022年6月23日 8時) (レス) id: c5526f2e67 (このIDを非表示/違反報告)
リズ憂孤(プロフ) - 大丈夫、待つのってわくわくして待ってられますよぉ、だからゆっくりでも問題なしです。ムリしないで下さいませぇ。 (2022年6月22日 18時) (レス) @page47 id: 5b67b5f4ec (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - うゆさん» うううう、ありがとうございます、、!本当に更新遅くて申し訳ないです、、頑張ります!! (2022年2月6日 18時) (レス) id: c5526f2e67 (このIDを非表示/違反報告)
うゆ(プロフ) - 100年経っても待てる気がします!まじで主様の作品好きです!頑張ってください‼︎ (2022年1月15日 23時) (レス) @page29 id: 0686dad9b0 (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - だぁさん» うわああありがとうございます!嬉しいです!!メンバーが年下いいですねえ、すぐには書けませんが時間を見つけて書かせていただきます!! (2022年1月7日 17時) (レス) id: c5526f2e67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:田中 | 作成日時:2021年8月15日 0時