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ヒールの歩く音と蝉の鳴き声が私達の間に響く。
斜め前のコンクリートを見れば、この暑さのせいか熱にゆらゆらと揺れて見えた。
「あっちぃ……」
隣の彼は相変わらず着崩さずに、Yシャツの胸元をパタパタと煽って暑さを凌いでいる。
いつかの教室での光景に似てるなぁなんてぼんやりと思った。
私のペースに合わせた足取りに少し、心が揺れる。
そんなことしなくても、私が合わせるのに。
「ね〜Aちゃんまだぁ？」
「……毎年毎年同じこと言うね」
「んぇ、そだっけ？」
小さい子供かのような言葉にちょっと笑いつつ、去年も、その前に行った時も、それ言ってたなぁと思い出す。
「…………やっぱ覚えてんじゃん」という彼の小さな声は聞かなかったことにした。
「ちょっと休憩しなーい？」
「…………はぁ」
「え、なんでため息？！」
「相変わらずだなぁ、って思って」
「いいよ、あそこで少し休んでこう」と“丁度”見つけた、通り過ぎるはずの公園の中にある木陰の下のベンチを指さす。
「Aちゃんやっさし〜！」とすぐにテンションが上がる彼は、どこかやっぱり小学生のようだ。
先に少し走ってベンチに座った彼の隣に私も腰掛ける。
まだ日陰の方が幾分かマシな気がするも、暑いことには変わりはない。
「ふぅ〜ちょっと涼しくなった〜」
「気晴らし程度の違いでしかないけどね」
「まぁまぁ、それでも日に当たってるよりかはまだマシ！」
足を伸ばし、体を完璧にベンチの背もたれに預けている彼に、そこまでして着崩すの我慢しなくてもいいのになぁと思う。
これが彼の優しさ。
これが彼なりの思いやり。
これが彼からの“表現”。
そんなこと遠の昔にわかってはいるんだけども。
「……うわ、でっけぇ入道雲」
「あ、ほんとだ」
「もしやこの後雨降る…？」
「傘、私持ってきてないよ」
「俺もだ〜」と全く焦った様子もなくそういう彼。
そんな彼を横目に、ボーッと向こうの空でもくもくと膨らみ続ける白い雲を見つめる。
晴れてて良かったって、思ってた側からこれだから。。
駅のホームから見た時よりも大きくなっているそれを、軽く睨みつけてみた。
今日くらい、ずっと晴れててほしいんだけどな……
「今日くらい雨降んなくてもいいのにな。」
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れな(プロフ) - しっぽうさぎさん» 素敵な感想ありがとうございます！とっても嬉しいお言葉ばかりで…書き手冥利に尽きます´ `* これからもまったり更新ですが最後までよろしくお願いします！高校時代はまだ公式さんから何も言われてなかったので、自由に想像しながら書けてたんですけど…焦ってます；； (2019年2月16日 9時) (
レス) id: f22e3e55d7 (このIDを非表示/違反報告)
しっぽうさぎ - 読み始めた瞬間『あ、この作品好きだ。』と感じました。久々の感覚と、久々に好みな作品を見つけられて最高に嬉しいです。関係無い話ですが、私も前におそ松さんの学生ストーリーの作品を作って、あら公式と違うわとなりました。…共感です。笑 (2019年2月14日 18時) (レス) id: dc9d359d93 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 来夢*ﾟさん» 初めまして。素敵な感想ありがとうございます！キュンとくる内容になってるか微妙だったのでそう言って貰えてとても安心してます。のんびり更新な感じではありますがどうぞ最後までお付き合いよろしくお願いします ^ ^ (2018年5月6日 6時) (レス) id: f22e3e55d7 (このIDを非表示/違反報告)
来夢*ﾟ(プロフ) - 初めまして。学生特有の甘酸っぱい恋物語に当方毎回楽しみにしながらキュンキュンさせてもらってます(〃ω〃) これからも頑張ってくださいね。応援してます！ (2018年5月5日 16時) (レス) id: 522dbc585e (このIDを非表示/違反報告)
万珠沙華(プロフ) - レスありがとうございます！！ (2018年4月22日 20時) (レス) id: a8300dcf2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れな | 作成日時：2018年4月19日 19時
