【おそ松さん】蝉時雨と畢り。

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いつもより少し早めに起きて、服を着替える。

家は今日も私以外誰もいない。


テーブルの上に置いてあった置き手紙を読んでから冷蔵庫を開けた。




「……トーストにしよ」




時計をチラッと見て確認する。

うん、まだ時間あるから大丈夫。


テレビをつけてから出来上がったトーストとサラダ、あと適当に昨日の残ったおかずなどをテーブルに並べた。




「いただきます」




テレビに対して「へー」だとか「ふーん」だとか適当に反応を返しながらパンに齧り付く。


ピコン


おかずを食べようと箸を手にしたとき、側に置いておいた携帯が聞き慣れた通知音を鳴らした。

これはLIMEの通知かな。


アプリを開けば〔トド松くん〕の名前が1番上にあり、何かなと思いつつタップする。




《Aちゃん！今日暇？！》




あ、これトド松くんじゃない。とすぐに分かった。

“Aちゃん” 呼びをするのは私の周りでただ1人。


携帯を持ってないからって弟さんのを借りてまで連絡するなんて…

なんとも彼らしいメッセージにふふっと笑みが零れるも、電話でいいのにと心で言う。

あれ、これじゃ電話したいって勘違いされるかな？


トド松くんに許可は貰ったのかなと思いつつ、でも今日は残念ながら先に用事を入れてしまっていたので断りの返信を送った。




《ごめん、今日は私用事あるの》
《あ……そっか、》

《いってらっしゃい》

《気をつけてな》




なんの用事？と聞かない辺り、彼は本当に優しい。

「うん」とだけ打ってトーク画面を閉じた。


このトーク履歴きっと彼は消すんだろうな…




「……よし、お皿洗ったら行こ」




流しに立って1枚1枚丁寧に洗っていく。


もし暇だったら遊ぼうとかでも言ってきたのかな…？

てか夏休みの課題あの人やって…………ないよねきっと。

今度誘われた時は課題一緒にやろうか……




「あっ」




パリン



水で濡れたお皿が1枚手から滑り落ち、卑劣な音を立てて割れた。

お皿洗いに集中しとけば良かった、、


素手で拾うと危ないけどこの家に箒なんてものはないから、キッチンペーパーを使って丁寧に取っていく。


でも別にお皿はまだ他にもあるし、特段気に入っていたお皿という訳でもないから1枚割れたとこでそこまで気にはならない。


ただ、、、



…………どこか不穏な感じがするのは何故だろうか。




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