宇髄天元の幼馴染み【鬼滅の刃】

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「俺、忍やめる」

「……は?」

「だから、やめる」

「そ、うか…それで、どうするの?」

「嫁を三人とって、鬼殺隊に入る」

「…正式に、やめるのは?」

「来月」


そう言葉を向ければ、其奴は硝子玉の様な瞳を大きく見開き、か細く「へぇ」と落とした

思ったよりも反応の薄い其奴を穴があくんじゃないかと危惧する程見つめてやれば、いつもの薄ら笑いを浮かべて口を開く


「そうか…そうかあ……君の人生は、やっと君の為の人生になるんだね」


儚げな姿に、胸が軋む音がする

忍の一家に生まれ、人を殺めていく俺を、家族を亡くしていく俺を、此奴はいつも見ていた

何も言わない俺に、何も言わずにいつも傍にいたのは此奴だった

ああ、俺は


「きっと其れは、幸せな人生になるよ」


俺は、此奴の手を離すのか


「いつか、いつか君の素敵な人生の話を…私に聞かせておくれ」


お前は、まだ其処にいるのか


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