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「いよいよ今日か、早いものだね…歳を感じるよ」
「まだ二十手前の女が何言ってんだよ」
「二十手前の男が女の年齢を隠さず口にするなんて、一体全体どういう神経をしてるんだい?相変わらずその図太さは変わらないねえ」
「うるっせえ!!」
「聞いたかい?口が悪いだろうこの男は。気を付けるんだよ」
「余計なお世話だっつの!!」
いつも通りの薄ら笑いで俺の嫁に目をやる此奴
余計な事までつらつらと並べていたが、其奴の言う通り、いよいよ忍をやめる日がきたのは事実だ
早朝で未だ日が昇っていない時間に、俺達は河原でただただ言葉を交わす
「暴力を振るわれたら包丁で刺してしまいなさい。まあ、そんな事じゃあ死にはしないだろうけどね」
「俺が刺すぞ、お前を」
「おっと、あまり言うと私が先に死んでしまいそうだ」
嫁は苦笑い
だが、嫌な笑いじゃない
「さて、私はそろそろ任務の時間だから失礼するよ」
「あー…もうか」
「如何にも、急ぎみたいでね」
俺達に背中を見せた其奴は、軽く体を伸ばして「はあっ」と息を吐き出した
「……どうか、今度こそ幸せになってくれ」
此方を見ずにそう零したかと思えば、其奴はもういない
はらりと、葉が一枚舞っていた
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千聖(プロフ) - 目から鼻水?が出てきてやばいです (2月26日 1時) (レス) @page14 id: 1899f7b5ef (このIDを非表示/違反報告)
美園 - 感動しました。涙めちゃででやばいぐらいでした。ありがとうございます。 (2022年8月13日 16時) (レス) @page14 id: d0751a4b5d (このIDを非表示/違反報告)
櫂 - 泣きました、ありがとうございました。 (2022年1月23日 19時) (レス) @page14 id: aef1afb3d8 (このIDを非表示/違反報告)
はく(プロフ) - 天元さん、、やっぱ嫁の人数増やそう、、?ちょっと目から汁が、、、アアアッ (2021年11月20日 2時) (レス) @page14 id: 480d828c8e (このIDを非表示/違反報告)
れな - めちゃくちゃ感動しました。涙が溢れてもうやばかったです (2020年12月29日 20時) (レス) id: 75a44e24da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:C吉 | 作成日時:2019年9月24日 0時