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まず、日本代表入りが決まったわけではない。 それを踏まえてあの落ち込み方なのだから、周りもとても不安になる。
親は例外だが。
招待状がきただけで「自分の子が世界に行くんだ！」と大喜びして高級レストランに連れて行かれたほどだ。
どうしてこうも親が騒いで子が冷静なのかはよく分からないが、彼女は親が喜んでるならいいやと半ば呆れと諦めで楽しんでいた。
しかし実際に都会に出てみると違うものを感じる。 何が、まではわからないが、これはしばらく慣れないなと震えたらしい。
時は少し経ち、遂に日本代表のメンバー発表の日となった。
結果論で言うと、彼女は代表入り。
一通りの発表を終えたときに彼女は一言。
「MF…？ 代表…？」
現実を受け入れられない様子だった。
元はといえば彼女はDFのため、全体の指揮(中枢)を受け持つMFには向いていないと思っていた。
「ホントに……？」
確かこの後も予定が詰め込まれていたはず、など考えてロッカールームに向かいながらもやはり困惑は収まらないようだった。
はしゃいでたりする他の日本代表メンバーを通り過ぎて女子ロッカールームに入る。
「えぇ……」
誰もいないのは分かっていたが、がらんとした雰囲気はどうも慣れなかった。
男女混合とは言え、あまりにも差が大き過ぎると落ち込みながら、専用のロッカーに置かれたユニフォームを見つけた。
「……ホントに、代表なんだ。」
やけくそなのか諦めなのかはわからないが、着ていた私服を脱いでユニフォームに袖を通した。
背番号は27。彼女はいつもとは違う慣れない数字を不思議に思った。
1番乗りで集合場所に着いてしまった。
周りの風船が気になってしょうがなく、たくさんある内のひとつに触れてみた。
もちろん、何かが起きることはない。
ふわっと横の壁にぶつかるとそのまま大量の風船の中に呑み込まれた。
そんな風船と同時に
「あの…」
と話しかけられた。
「はい…？」
彼女は声のした方に振り向いて返事をした。
「あ、良かった。双和椎那さんですよね？ 僕、
青い髪の少年__一星充は彼女に喋る隙を与えずそう言った。
「これからよろしくお願いします！」
元気な挨拶をした一星充の右手を少し見つめてから、
「双和椎那です。こちらこそ、これから宜しくお願いします。」
とその手を取った。
彼女の心の内は分からない。
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花鈴萌(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。今日この作品を見つけまして、一気読みしましたがすごく面白いです。文章もとても丁寧に書かれていらっしゃって読みやすいです。これからも応援させていただきますので、ご自身のペースで更新頑張って下さい！ (8月31日 21時) (
レス) @page19 id: d23310e530 (このIDを非表示/違反報告)
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