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暫くの間修也の横顔を見つめていると、自分より少し背が低い私に目を向けた。
「なんだ、俺の顔に何かついてるのか？」
「…べぇつに」
んべっと舌を出して少し速足で歩き始めた。
「私、先に帰って準備してるから修也は自分の家で円堂君を待って、その後夕香ちゃんを
迎えに行ってきなよ」
「…一人で、帰れるのか」
「早く帰らないと夕飯が遅くな「違うだろ」………ほんとは、ちょっとだけ、怖い、かも」
追いついてきて私の前に立った修也に肩をつかまれ、昔の思い出したくもない記憶が
ふと蘇ってしまい、修也の手を払ってしまった。
「…はぁ」
ため息、つかれちゃった…。
修也にしか話していない私の過去、自分には全く関係ないのにいつも親身になって考えてくれた。
けれど、仲良しごっこも今日で終わりかな…なんて思っていると、急に男の子らしい大きな手に
私の手が包まれた。
そしてスタスタと歩き始める修也。
私は何が何だかわからなくて取り敢えず修也の後ろを慌てて追いかけることしかできなかった。
「ちょ、修也…？」
手をほどこうにも、ほどこうとするほど握られる力が強くなり結局は無駄だった。
普通の人だったらどうするのか分からないが、私は修也の靴をガッと踏んで止まらせた。
「…おい」
「だって修也が止まんないから」
修也の歩くペースが速かったせいで少し乱れた息を整えてそういうと、
彼はまた「はぁ…」とため息をついた。
「ため息、つくと幸せが逃げるよ。…私みたいに」
少し嫌味気味に言うと、何を思ったか修也は私を割れ物のようにそっと抱きしめた。
「はっ、ちょ、修也…！だれか見てたらどうす「俺が…」……え？」
耳元でぼそりと呟かれたその言葉が聞き取れず、聞き返してしまった。
「俺が、お前をほっとけると思うか…？」
悲しそうに蚊の鳴くような声で呟いた修也は、私が今まで見てきた修也の中で、
一番悲しく、辛い顔をしていた＿＿＿＿
.
４話 『帰り道』 ページ5
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暫くの間修也の横顔を見つめていると、自分より少し背が低い私に目を向けた。
「なんだ、俺の顔に何かついてるのか？」
「…べぇつに」
んべっと舌を出して少し速足で歩き始めた。
「私、先に帰って準備してるから修也は自分の家で円堂君を待って、その後夕香ちゃんを
迎えに行ってきなよ」
「…一人で、帰れるのか」
「早く帰らないと夕飯が遅くな「違うだろ」………ほんとは、ちょっとだけ、怖い、かも」
追いついてきて私の前に立った修也に肩をつかまれ、昔の思い出したくもない記憶が
ふと蘇ってしまい、修也の手を払ってしまった。
「…はぁ」
ため息、つかれちゃった…。
修也にしか話していない私の過去、自分には全く関係ないのにいつも親身になって考えてくれた。
けれど、仲良しごっこも今日で終わりかな…なんて思っていると、急に男の子らしい大きな手に
私の手が包まれた。
そしてスタスタと歩き始める修也。
私は何が何だかわからなくて取り敢えず修也の後ろを慌てて追いかけることしかできなかった。
「ちょ、修也…？」
手をほどこうにも、ほどこうとするほど握られる力が強くなり結局は無駄だった。
普通の人だったらどうするのか分からないが、私は修也の靴をガッと踏んで止まらせた。
「…おい」
「だって修也が止まんないから」
修也の歩くペースが速かったせいで少し乱れた息を整えてそういうと、
彼はまた「はぁ…」とため息をついた。
「ため息、つくと幸せが逃げるよ。…私みたいに」
少し嫌味気味に言うと、何を思ったか修也は私を割れ物のようにそっと抱きしめた。
「はっ、ちょ、修也…！だれか見てたらどうす「俺が…」……え？」
耳元でぼそりと呟かれたその言葉が聞き取れず、聞き返してしまった。
「俺が、お前をほっとけると思うか…？」
悲しそうに蚊の鳴くような声で呟いた修也は、私が今まで見てきた修也の中で、
一番悲しく、辛い顔をしていた＿＿＿＿
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奏魅(プロフ) - 柑橘系さん» うれしいお言葉ありがとうございます！(^▽^)/四月から受験生のため、更新確立は大変遅いですがご希望に添えるような小説を作っていきますよ〜！(｀・ω・´) (2017年1月18日 17時) (
レス) id: b2e962b757 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘系 - 始まったばかりだけど続きが楽しみです！応援してます！頑張ってください！ (2017年1月15日 23時) (レス) id: 04654b2bed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏魅 | 作成日時：2017年1月4日 14時
