28匹目。 ページ31
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吉野の“善処はする”は言葉の通り早く帰る努力“は”した。いや、正確にはしたところで一日分の仕事が終わらなければ泊まり込みなのか、休日返上覚悟で帰るのかの2択なのだ。
毎日終わらせるため必死になるので努力したことは間違いない。しかし、帰ってきた時間はあの電話から3時間半後だった。
吉野的には結構早めであった(まぁ、出勤時間が早かったから)と思っているが世間一般的、少なからずオスマンみたいな普通の感性を持っているものとしては遅すぎる。
ガチャ…と鍵穴を回す音が玄関から聞こえてくる。その音に反応してかゾム、シャオロンは扉の前で待機していた。
吉野がドアを開ければ遊び足りない2匹がお出迎えしている。その後ろにはオスマンが仁王立ちしていた。
「……おかえり。」
『っぁ。だだいま。』
“ただいま”なんて言った記憶はここ数年無い。帰ってきたところで話す相手もいなきゃ1人虚しく響く音を聞くだけならと“ただいま“という習慣は自然と無くなっていった。
明らかにヤバいオーラを纏うオスマン。猫たちは呑気に｢にゃー！(おかえりや。)｣｢にゃぉん！(お疲れ様！)｣と鳴くが吉野は穏やかな雰囲気にはなれなかった。
｢……靴脱いで手ぇ、洗ってきいや。｣
｢着替えるんなら着替えて来いや。｣
とオスマンが声を放てばそのままリビングへと消えていく。どっちが家主なのだろうか。
また怒られるのはダルいと思いながらも言われた通り荷物を昨日寝た部屋に放り捨てて手を洗い部屋着に着替える。
『……すぅーはぁ……』
ひと呼吸したあとに意を決してリビングと廊下を繋ぐ扉を開ける。テーブルには美味しそうなご飯が。生姜焼きのいい匂いもするがそこの椅子にはオスマンとグルッぺンが座っていた。
｢朝ご飯、美味かった。｣
｢座れよ。｣
上から順にグルッペン、オスマンの発言。グルッペンの言葉はわかるがオスマンの声には圧があった。
猫たちもただ事では無いと感じ取ったのか静かに見つめるもの、吉野の足元で不安そうに見上げるもの、オスマンと同じように冷たい目で見つめる者もいた。
『ありがとう。』
そう言いながら椅子を引いてご飯がセットしてあるところに座る。ここが地獄と言わず何を地獄と表すのだろうか。
『……いただきます。』
箸を持って手を合わせ、ご飯に手を付けようとした。その時カウンターテーブルに座っていた黒猫、トントンが鳴き始めたのだった。
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こはく - 尊いがすぎますね、尊4するところでした。と言うかしました。 (2023年3月21日 9時) (
レス) @page21 id: 5137519573 (このIDを非表示/違反報告)
何をするにも「ら」を言ってしまう人です - 初コメ失礼します!顔面手で押さえつけて天仰いでました!尊いｯｯｯｯｯｯ (2023年3月4日 23時) (レス) @page25 id: 3e8fde3e6c (このIDを非表示/違反報告)
シュークリーム - んやぁ〜！！！可愛い！癒されます！！ (2023年3月4日 22時) (レス) @page23 id: 8d2f6f943b (このIDを非表示/違反報告)
桜の穂 - 癒しです……顔の筋肉ゆるゆるになりながら読ませていただいてます、応援しています！！ (2023年3月4日 22時) (レス) @page23 id: f612835adc (このIDを非表示/違反報告)
白猫のテト - いつも楽しく読んでいます！主人公のgrさんに対する態度がすきです。 (2023年3月3日 16時) (レス) id: 8e42a39025 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：びとうぃーん。 | 作成日時：2023年2月28日 21時
