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白群色。 ページ1






「えっ、えぇーー!」




なんて声が響くのはまだ朝早いマンションの下。

横たわっている女を見て驚く鈴芽とは対照的に外はまだ寒い。




「(どうしようどうしよう……)」



そうすずめが考えながらウロウロしていると、ふわりと生ぬるい風が鈴芽と女の間を抜ける。





『んなぁ……』




なんて気の抜ける声とともに女が目を開けた。





その瞳は幸か不幸か、鈴芽とあってしまう。







「わっ!?」





『っ……!』




互いにびっくりし、後退りする。




少しの沈黙……否、2人にはとても長い時間であったが先に声をかけたのは女の方だった。





『あ、あのぅ……






此処(ここ)って何処なんか知っとります…?』




少し目を逸らしながらも確実に鈴芽に聞いていた。





『随分、発展しとるように見えるんやけど……




こんなのなかったはずや……』



『なんやこれ……玻璃(はり)かいな?』なんて手を少し広げ、自動ドアを触ろうとする。





その瞬間、自動ドアのセンサが反応しドアが開く。






『えっ、なんなん?なんなん?怖いわぁ。』




咄嗟に手を引っこめる女を見て鈴芽は少し違和感を覚えた。





「(は、はり……って何?ってかなんだか……)」






「時代錯誤……?」





なんて声がポロッと出てしまう。慌てて手で口を塞ぐが聞かれていたが





『多分……そやろうな……






ほんまこれなんなん……?』




物珍しそうに自動ドアを見つめる女をさらに珍しそうにみる鈴芽というなんとも言えない光景が広がっていた。






「(と、とりあえずこの状況をどうにかしなきゃっ)」






「そ、それはドアです。ドア。」






「ほら、センサーが反応してこう、人が開けなくても入れる……的な?」






なんて張り合わせの知識を話す。


知識がないとかではなくごく当たり前の事をどう人に説明して良いのか分からなかったからだ。






『せんさー?





まぁ、要約すると人が触らんくても開く障子みたいなもんか……






ありがとうな。』




『あぁ、こんなとこおったら邪魔やんな。






すまんかったわ。』






『ほな。』と言いながら道路へ出ていく彼女から鈴芽は目が離せなかった。

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作者名:名無し68506号 | 作成日時:2022年12月27日 21時

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