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あれからまた皆のいる店に戻った。
(ちゃんと、仲直りしないと…)
「さ、坂田くん…」
「ぇ…A?」
さっきまで泣いていたのか目元が赤くなっている坂田くん。
「えっと…あの…話があるんだけど。」
「絶交…とかやったら、聞きたくないで。」
なんで坂田くんと絶交なんてしなくちゃならないんだろう、関係が崩れるのは絶対に嫌だから謝りたいだけなのに。
「ううん、違うよ。だから来てくれる?」
誰にも聞かれないように私は店の外まで坂田くんと一緒に行った。
・
「あの…まず俺から、話してもええ?」
いいよ、と言うと一度深呼吸をする坂田くん。
「俺、さっきはあんなこと言っちゃったけど…本当はAのことめっちゃ好きやし…でも、天月にバレたくないなって思って誤魔化したんや、しかもその場にAも居たやろ?本人にバレるのが一番恥ずかしいやんか、何年も隠してきたのに…」
まふくんが言っていたことは本当だった。坂田くんは簡単に嘘をつくような人ではないから、これもきっと本当のことなんだろう。
「何年も…前から?」
「あぁ、えっと…俺、中学の時からAがずっと好きやったんよ…助けて貰った時に一目惚れしてよく話しかけたりしてアピールしたんやけど、Aって鈍感やから全然気付かなくて…」
「卒業式の時に告白しようかなって思ってたんやけど東京行く事になってて遠距離恋愛は嫌やったからさ、また何処かで会えないかなって思ってたら丁度いい時にまふが考えてくれたあの企画があったんよ…本当はあの時、Aにしか電話してないねん、会うチャンスなら今しかないなって…」
「俺が生主から歌い手になったの何でか知ってる…?俺の友達が教えてくれたん、Aは今、歌い手にハマってるよって…もし俺も歌い手になって有名になれたらAが俺の声を聴いて好きになってくれたりするんかなって。」
「だから、ファンっていってくれて嬉しかった。最推しがまふなのはちょっと嫌やったけどな…なんて、今更馬鹿らしいか。本当にごめん。」
今まで知らなかった事実がどんどん明かされていって驚きが隠せない。
「えっ…と…」
「ぁ、なんか重い話してごめんな?ええで、Aの話しても、何言われても覚悟は出来てるから。」
「私はただ、仲直りしたかっただけで…」
そう、ただ仲直りしたかっただけであって、こんな重い話になるとは思っていなかったから余計混乱してるいのだ。
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ぴぁ(プロフ) - 心愛さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです! (2019年1月2日 13時) (レス) id: 84d5814917 (このIDを非表示/違反報告)
心愛 - とてもとかったです! (2018年12月9日 3時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぁ(プロフ) - モモ缶。さん» コメントありがとうございます!さかたん可哀想ですよね私も思いました(おい) 最初は初めからまふくんをデレデレにさせようと思ってたんですけど凄いツンデレな子にしちゃったんですよね…だから最後はデレデレさせておきましたw (2018年11月6日 22時) (レス) id: 84d5814917 (このIDを非表示/違反報告)
モモ缶。(プロフ) - ん、んんん、さかたんは可哀想やけどいい作品でした!まふくんが最初に比べてもうデレッデレですねw (2018年11月5日 23時) (レス) id: 8cb1d9c8ba (このIDを非表示/違反報告)
ぴぁ(プロフ) - 夏々さん» おお、歌の内容気付きましたか!ありがとうございます、そう言っていただけて嬉しいです! (2018年10月27日 22時) (レス) id: 84d5814917 (このIDを非表示/違反報告)
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