コンビニの常連客が推しだった件について[ま/ふ/ま/ふ]

27. ページ27

・

｢いらっしゃいませ〜…あ、まふくん。｣

今日もバイトの日で、最近は前よりもまふくんが良く来てくれるようになった。

｢今日はAさんにお話があってきたんです、僕は店内でウロウロしてるので終わったら声掛けて教えて下さいね〜｣

よく分からないけど、今日はいつもよりバイトの時間が長いんだよね。それも後一時間半くらい。ずっと店内にウロウロされてたら不審すぎる。

かと言って、外で待ってもらうのも駄目だよね。今日はいつもより気温が高くて熱中症にでもなられたら大変だ。

でも、傍から見たら普通に商品選んで買いに来てるみたいな感じだし、大丈夫だろう。まあ顔面偏差値の問題で目立ってはいるけど。

取り敢えず今は仕事を優先しないと、心を入れ替えていると見覚えのある人が店に入ってきた。

｢え、坂田くん…？｣

｢ちょっと昨日の話がしたくて、来たんよ。｣

話って、まだ何かあったのかな。もう成るべくあの話はしたくないんだけどな…まあ昨日は私だけが言いたいこと言って、坂田くんの話は詳しく聞いていなかったから仕方ないか。

｢あれ、さかたん…？｣

さっきまで奥の方で商品を眺めていたまふくんが私たちの所まで来た。この三人で会うのは凄く気まずいんだけど…

｢ぁ…まふも、居たんやね。なら話は今度でいいや、時間空いてるとき教えてな？｣

｢え…いいよ、そんなの。皆で遊ぼう？｣

まふくんがそう言うと、坂田くんは黙って何かを考えてるみたいだった。やっと口を開いたかと思うと

｢俺はええわ、今日は二人で仲良く遊んでや。そうだ、今日用事あったんやった！忘れてたわ〜ってことで、二人ともまたな〜｣

用事があるとの事で坂田くんはそれだけ言って店から出ていった。凄い早いスピードで出ていったけど、用事のこと忘れてたみたいだし、そんなに遅れたりしたらいけないものだったのかな…

でも三人にならなくて良かったっていう気持ちもある、だって気まずいから。別に居ても良かったんだけど用事があるなら仕方ないよね、なんて誤魔化して我ながら最低だと思う。

でも、もし坂田くんがまだ言えてないことがあったのなら早く教えて貰いたい。坂田くんとはお話できなくなるのは嫌だから。

28.→←26.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す