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+27.濡れ衣の残骸 ページ27











太宰「Aちゃん(なり)の考えは有るの?」









潛心(せんしん)とし瞬きなしで一点を見つめ

口を開くこと無く皮を剥いた果実を傍のテーブルに

置きそのまま立ち上がり鞄を持つ









『横浜を手放すのなら勝算は有るかもしれない
ただ此の(まま)激戦化とするなら火の海に成り兼ねない喩えマフィアと探偵社、特務課の三社が癒着(ゆちゃく)の構造としても死者は出る』








太宰「この勝利は?」







『敗_______________……』









勘のいい彼女の思考だ
寶と言って我々は諦める訳には行かない
任務を遂行する迄は目を逸らしては行けない






彼女はそう言って病室を出る








其れが私が彼女を見た最後の背中だった。





そして彼女の口紅は何時も以上に真赤だった。





























久しく戻った持場の研究室



変わらぬ白衣を見に纏いヒールを鳴らす



その音に敏感な者達は息を殺し作業を進める



仔犬より酷い怯え方だ








『出来てるでしょうね?例の案件は』







透明な液体が入ったポーションが

頑丈な箱に備えられ差し出す






「御注文の品は此方です…其れとこの様な無礼な私の発言をお許し下さい」







『何?』







「望み通り其れはカルミア・ラティフォリアを千倍凝縮させた劇毒です。人を死に追いやる事が出来る殺傷力、一体何にお使いに成るのですか?」







背筋が凍る程の態度に震えが止まらない









『……貴方達を殺す為……と思った?
非常に残念だけど違うわ、この毒は人を守る為の物、王冠を仕留める時の必需品という事かしら』







その言葉を聞いた瞬間安心した顔つきで息を吐く






「そ、そうですよねA様はとても寛大で」








すると彼女は白衣を脱ぎ出し投げ捨てる









『私の愛したこの場所そして駒達

_______________……長いようで短いようで』









突然と呟く言葉に首を傾ける









「A様?」









『悪くなかった_______________……。』









その瞬間







血が(さきら)の様に噴き出し




(ほとばし)る血の海へと還る





密かに身を潜め現れる黒い人影









赤い血に滲みた雛芥子が咲いた









終盤の鬨曲といこう

+28.天使のような人→←+26.濡れ衣の残骸



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 中原中也 , 太宰治   
作品ジャンル:アニメ
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化鮎(プロフ) - 小桜さん» 読んでくださってありがとうございます🥺🥺やっぱすぐに予想着きますよね笑。お褒め頂きありがとうございます!とても嬉しいです! (2021年11月30日 23時) (レス) id: ca4637bf7d (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - ヤバいです……!めっちゃ泣けました。黒幕はだいたい予想ついてたけど、それ以外にも驚きの連続で、飽きることなく読めました。最高の作品をありがとうございます! (2021年11月29日 21時) (レス) @page50 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あゆみ | 作成日時:2019年4月26日 19時

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