柊家のもう一人の天才長女【弍】 (ページ18)

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六十四．ページ18

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ウルド｢…………貴様は人間か吸血鬼どちらが憎い｣

剣を強く握りながら彼は告げた

『私は________________________…』

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神が憎い

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ウルド｢神だと？｣

『人々は宗教という団体に縛られ、神という者を

讃えそして敬う、……神が何をしたという』

ウルド｢神は人間より悪だとは知っている｣

『そうだ、結局は神は我々を助けない…

神を信じ願いを込めだが然し人は死ぬ生き返らな

い、どんなに願っても神は我々を救わない』

ウルド｢…まるで神にあったかのような口調だな｣

『………もう既に神に会ってるだろ』

ウルド｢何？｣

『本当にたちが悪い神だ…………』

鼻から漂う吸血鬼が燃える匂い

『長話はここで終いにしよう、私はやるべき事がある』

ウルド｢クルル･ツェペシとフェリド･バートリーは

永久日光拷問に処した、助けるつもりか？｣

『永らく生きて最後は日光拷問だなんて最悪で

勿体無い気がするけど…助けるつもりは無いわ』

彼女はそっと立ち上がり

前へ歩いた

『けど私の目的にはあの二人が必要……何れ

本気で連れ戻しに来るわ』

ウルド｢傲慢な女だ｣

『貴方の愛しいレイネもさほど傲慢よ？』

ウルド｢………愛しい奴がいるのか？｣

彼は目線を外しながら

そう言った

〝可哀想な人〟

『ええ、居るわよ……私が生きる意味があるのは

彼のおかげなのよ』

ウルド｢…｣

『貴方みたいな合理的主義の人よ』

彼女の表情は少し笑みを浮かべていた

心から愛する男にだけ見せる彼女の表情

『さて私は悪い敵をやっつける策を考えないと』

ウルド｢望むところだ｣

彼女は一瞬にして姿を消した

夕日が綺麗な時間帯だった

『…___________痛々しい姿ね貴方達』